2020 Fiscal Year Annual Research Report
STEAM教育を実現する小中学校スクラッチプログラミング学習のデザインと教員研修
Project/Area Number |
20H01721
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
須曽野 仁志 三重大学, 教育学部, 教授 (50293767)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 恵理 三重大学, 教育学部, 准教授 (40813845)
萩野 真紀 三重大学, 地域拠点サテライト, 特任教授(教育担当) (10816622)
榎本 和能 三重大学, 地域拠点サテライト, 特任教授(教育担当) (70816644)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | プログラミング学習 / STEAM / スクラッチ / 教員研修 / 授業デザイン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では小中学生を対象としたスクラッチプログラミング学習で、STEAM(Science, Technology, Engineering, Arts, Math)に注目し、その授業デザインや教育研修に取り組む。研究目的は次の2つである。1) STEAMの視点や児童生徒の発想や創造を重視し、各教科でのスクラッチプログラミング授業をどのように設計するか、2) 教員がプログラミング学習を指導・支援できるように、インストラクショナルデザイン(ID)の知見や授業実践をもとに、研修プログラムをどう設計するか。 本年度、1)に関しては、STEAMの発想を活かすプログラミング学習の内容・方法を検討した。まず、スクラッチの前身とも言えるLogoの発想を学び直し、タートルグラフィックスの良さを活かした幾何学的図形作成を算数・数学、図工・美術等の授業で実現した。次に、スクラッチでの音楽での曲づくりや英語での自己紹介のプログラム学習を提案した。さらに、小学校中学年以上の児童が合科や総合的な学習で取り組める「マイワールド(仮称)」を提案し、児童が自分の想像で「海の水族館」「森の世界」「近未来な町」等を数時間でプログラミングできる学習プランを作成した。また、スクラッチプログラミングを魅力的に学習するために情報発信学習TIRESモデルを提案した。 2)に関しては、IDの知見であるADDIEモデル、ARCS動機づけモデル、多重知性理論等をもとに、教員向けに、小中学生のスクラッチプログラミングやSTEAM学習をどのように取り入れ実践できるかを学ぶ研修プログラムや授業で活用できる指導案(レシピ)を開発した。 三重県内小中学校でのプログラミング出前授業を開始し、本研究で開発した学習プランやレシピを取り入れた。また、学校での出前授業に教員が参加することで自己研修ができる取組を進め、その成果や課題に整理・検討した。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本研究を開始する前に、三重県内小中学校、特に三重県東紀州地域での学校で、スクラッチプログラミングの出前授業を進めてきたので、その成果や課題をもとに。スクラッチプログラミングにおいてどのようにSTEAM学習を取り入れるかについて整理・検討し、各教科及び合科学習、または総合的な学習において、スクラッチプログラミングを効果的・効率的・魅力的に進めることができる学習プランを数多く作成することができた。また、それらを教員研修ともつなげ、出前授業や研修会の開催を進めることができた。 しかし、スクラッチプログラミング学習を先進的に進める米国の小中学校を訪れる予定であったが、コロナ禍が広がりコロナ感染収束が見通せないので、米国マサチューセッツ州の大学や学校を訪問することができなかった。
|
Strategy for Future Research Activity |
三重県内の小中学校でのスクラッチプログラミング出前授業や教員研修は、コロナ禍の中でもある程度実施できたが、対面での授業や研修以外に、オンラインでの学習や研修がリアルタイムまたはオンデマンドで行えるようにしていく。対面で行った場合とオンラインで行った場合の違いについて、学習や研修の効果はどうかや、参加者の満足度や定着度はどうかを検討していく。 スクラッチを開発したMITがあるマサチューセッツ州の学校や大学訪問については、次年度に実現できるように準備を進めるが、コロナ感染予防のため実現できない場合には、インターネットを使ったオンラインツール(Zoom等)を使って情報収集したり、米国の研究者や実践者と交流し、その研究内容を、スクラッチプログラミングの学習内容や方法、さらには評価法に活用するようにする。
|