2023 Fiscal Year Annual Research Report
大学生のメタ認知機能の向上に資する包括的尺度と適応型授業設計手法の研究開発
Project/Area Number |
20H01726
|
Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
丹羽 量久 長崎大学, ICT基盤センター, 教授 (90448499)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
バーニック ピータージョン 長崎大学, 障がい学生支援室, 助教 (00752726)
山地 弘起 独立行政法人大学入試センター, 独立行政法人大学入試センター, 教授 (10220360)
椿本 弥生 東京都立大学, 大学教育センター, 准教授 (40508397)
金西 計英 徳島大学, 高等教育研究センター, 教授 (80204577)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | メタ認知 / メタ認知尺度 / 高等教育 / 授業設計手法 |
Outline of Annual Research Achievements |
メタ認知尺度Metacognitive Awareness Inventory(MAI)の短縮版を作成するため,MAI改訳版58項目への大学生439名の回答を使って,先に作成した短縮30項目版を二つの下位尺度「メタ認知全般」と「学び方の対処」からなる短縮23項目版に再構成した。58項目と23項目の対応する因子得点間に高い相関関係があり,23項目版が短縮版として十分機能しうることを示した。情報系教養科目を受講する204名の定期試験の成績と23項目版の下位尺度値との間に.20の相関が確認された。 大学生213名のMAI短縮20項目版の回答,文章完成度の自己評価,文章産出方略尺度15項目の回答の関係を分析した。MAIについては3因子F1「学びの確認」,F2「注意と経験」,F3「自己理解と方略」を得た。文章産出方略尺度の尺度得点の中央値を境とした高群と低群に分けると,文章完成度の自己評価値とMAI下位尺度との関係は,高群ではF1とF2に小さな正の相関が,低群ではF1とF3に小さな正の相関がみられた。文章産出方略尺度とMAI下位尺度との間には,両群とも小から中程度の正の相関がみられた。 情報系教養教育科目では,ナレーションを組み込んだスライド資料を学習成果としてクラス内共有し,学生間相互評価に取り組む授業課題を3回繰り返した。学生が記述した授業全般の振り返りを分析すると,クラス内共有や相互評価が改善行動を促し,さまざまなメタ認知活動を誘引していた。有効なメタ認知を働かせている学生の学習成果の改善内容を確認すると,導入時に視聴者に関心を持たせる話題を加えたり,スライドを分割して関連図を追加したり,と創意工夫が確認された。 MAIを共通課題として実践的な研究報告と討論を行う国際ワークショップを開催した。上記の研究成果に加えて,台湾での日本語教育と学習効果について取り上げた。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|