2021 Fiscal Year Annual Research Report
芸術創作領域における創造的熟達の学習過程の解明と熟達支援手法の開発
Project/Area Number |
20H01761
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
岡田 猛 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (70281061)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 大地 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 特任助教 (00724486)
三井田 盛一郎 東京藝術大学, 美術学部, 教授 (20305519)
横地 早和子 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (60534097)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 芸術 / 創造性 / 熟達化 / 創作プロセス / 教育 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,芸術創作領域における熟達過程の特徴の解明と,その特徴を踏まえた熟 達支援手法の開発を目指すことである。より具体的には,芸術領域におけるプロフェッショナルが培ってきた「独自の学習過程」を解明し,それを理論的に構築しながら専門家の育成場面へ応用することを目指している。 2021年度は,熟達者の独自の学習過程における要因の検討を通じた創造的熟達の学習理論の検討を中心とした研究を行うために,先行研究(e.g., Charness et al., 2005; Starkes et al., 1996)の手法を参考に,心理実験の具体的な課題内容や手続きについて準備を行った。また,芸術系大学大学院の版画コースが中心となって取り組んだ演習授業のデータを収集したり,芸術を専門としない大学院生,芸術専攻の大学院生,そして画家らがともに油絵を描くワークショップのフィールドワークを行ったりして,データの分析の検討を進めている。加えて,ダンサーを対象とした研究については,創造的熟達、特に個性的な表現スタイルの構築に影響を及ぼす要因について過去のデータや追加の測定を行い,分析の検討を進めている。ここでは,創作時の振り返りのインタビューデータに加え,定期的な映像データ・身体運動データをダンサーより取得しており,長期に渡る具体的な学習過程・創作過程における表現スタイルの探索やその拡張が生じた頻度、その具体的過程を定性的・定量的に検討中である。 昨年度同様に,新型コロナウィルス感染症拡大とそれに伴う密集・密室・密接回避のため,予定していた心理実験の実施方法の見直しが必要となり,研究スケジュールも遅れたが,オンライン実験を実施する目処が立ち次年度も引き続き同実験を進めていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウィルスの影響により,2021年度においても予定していた長期的な実地観察や,心理実験等の実施が困難となり,研究計画等の見直しを行った。参加者全員の安全が確認された状況でのワークショップのフィールドワークは実現したものの,芸術専門教育の現場での長期的な観察調査の実現は困難であった。一方で,オンラインを用いた心理実験を計画し,2021年度末から実験を順次進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年度秋頃に予定していた心理実験が,協力機関の制限により実施困難となったため,2022年夏頃までの完了を目指して実験を行う予定である。また,本事業の最終年度にあたるため,これまで得られたデータ等のとりまとめを行い研究成果の発表に繋げていく予定である。
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Research Products
(7 results)