2020 Fiscal Year Annual Research Report
Research on the developmental process of social cognition based on understanding similarities between self and others: A longitudinal study in the first nine years of life
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20H01762
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
實藤 和佳子 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (60551752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 知靖 九州大学, 人間環境学研究院, 教授 (30251614)
遠藤 利彦 東京大学, 大学院教育学研究科(教育学部), 教授 (90242106)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 社会的認知 / 縦断研究 / 発達 / 類似性理解 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では9歳までの社会的認知及び関連要因の発達的変化とその個人差を追跡し、生じる臨床的問題との関連も含めて、社会的認知発達過程について縦断的かつ実証的に解明することを目的としている。 2020年度は、被験者(定型発達児・ASD児)を募集し、主に6歳を中心として、社会的認知発達及び関連要因に関する実験課題・発達検査・質問紙調査を実施した。とくに、コミュニケーションや学習などの場面において、他者からの情報をどのように受け取るのかに焦点を当てて、その発達と関連要因に関する検討をおこなった。その結果、①他者が不正確な情報を提示する場合、6歳までの間にその人がなぜ不正確であるか(例えば、何らかの理由で正確な情報を得られていないのか、それとも、明らかな理由もなく単に不正確なのか等)を考える認知能力は発達すること、しかし、不正確な回答を他者がおこなっている理由の理解に基づいてどのように情報を受け取るかを考慮しているわけではなく、正確さの程度によって他者からの情報を信頼するかどうかが決まること、②他者からの情報に関する批判的思考態度の関連要因として幼少期に受ける養育スタイルが挙げられ、Optimal parenting(高いケアと低いコントロール)の養育を受ける場合は,Affectionless control(低いケアと高いコントロール)の養育を受けた場合より批判的思考態度が高いこと、などを明らかにした。これらの知見は論文などで公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍の影響で、計画していた課題について対面で実施することが難しくなったため、代わりにオンライン調査や質問紙を用いた調査を構築した。代わりの調査方法の構築ならびに妥当性の検討に一定の時間を要したため、現在までの進捗状況としては計画よりもやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施したように、対面形式以外の方法でデータを収集する方法をさらに整え、感染状況や対象児者の状況を考慮しつつデータを収集できるように進めていく予定である。
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Research Products
(7 results)