2020 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20H01784
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
佐藤 徳 富山大学, 学術研究部教育学系, 教授 (00422626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坪見 博之 富山大学, 学術研究部人文科学系, 准教授 (70447986)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 空間知覚 / 行為と知覚 / 自己主体感 |
Outline of Annual Research Achievements |
空間は、認識のまたは物体界の成立のための最も基本的で基礎的な形式の1つである。しかし、それは不変不動を保つものではなく、観察者の条件次第で伸縮するものでもある。心理学の歴史においても、どのような要因によって空間が伸縮して知覚されるのかが調べられてきた。しかし、近年、これまでの研究はその方法論上の問題により否定されるに至っている。本研究では、これらの方法論上の問題を回避すべく、エンメルトの法則を利用した方法を開発し、距離知覚に影響を及ぼす要因を検討し直す。エンメルトの法則によれば、知覚された大きさと距離は互いに依存しており、何らかの要因によって距離知覚の変化が生じれば、それは必然的に知覚された大きさの変化に反映されることになる。したがって、この法則を利用すれば、大きさ知覚から間接的に距離知覚を算出することができる。 本年度は、当初、ボタン押しにより視覚刺激を提示し、その刺激を見て残像を形成させた上で、その残像をそれぞれの距離の投影面に投影させ、その残像の大きさを判断させる予定であった。そして、何もせずに同一の刺激を見て残像を形成する場合と比べて残像の知覚された大きさに違いがあるかを比較することで、随意行為により距離知覚の伸縮が起こるかを検討する予定であった。しかし、この当初の方法では、暗室という密室での実験者との関わりを伴う長時間の実験となり、新型コロナウィルス感染症流行時には実施するには問題があった。コロナ禍でも実験を行えるようにするには、速やかに残像を形成でき、残像の測定においても実験者との関わりが最小限となるようなシステムの開発が必要であり、本年度はその開発を行なった。前者についてはLEDを正方形上に並べボタン押しをトリガーとして光らせる方法、後者についてはモニターを投影面とし実験参加者のマウスクリックにより残像の大きさを測定する方法などであるが、完成には至らなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症の流行のため、感染防止の観点から、暗室という閉鎖空間での対面での長時間の実験ができなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
実験方法の見直しを行なっており、新たな方法の妥当性の検証を行う。
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