2022 Fiscal Year Annual Research Report
Markov-chain Monte Carlo without detailed balance and its application to strongly correlated many-body systems
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20H01824
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤堂 眞治 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10291337)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マルコフ連鎖モンテカルロ法 / 詳細つりあい / 計算物理 / 強相関多体系 / 量子モンテカルロ法 / 量子相関 / テンソルネットワーク |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、マルコフ連鎖モンテカルロ法を基本原理から見直し進化させることにある。さらに、相関の強い多体系に応用し、相関の効果が本質的な役割を果たす相転移現象や量子相の解明を目指す。 2022年度の実績は以下の通りである。 1) テンソルネットワークマルコフ連鎖モンテカルロ法: テンソルネットワーク表現とマルコフ連鎖モンテカルロ法を組み合わせた、全く新しいサンプリング手法を開発した。この手法では、テンソルネットワークにおける系統誤差が完全に取り除かれる。また、ボンド次元を増やすことで統計誤差を指数関数的に減らすことが示された。2) 局所ユニタリ変換による負符号問題の低減: 局所ハミルトニアンに注目し、最適な局所基底変換を導入することで、負符号問題の軽減に成功した。特に、Frustration-Freeと呼ばれる量子スピン系においては、先行研究では不可能であった最適解が得られるだけでなく、その他のモデルにおいても先行研究よりも優れた結果が得られた。3) 量子ダイマー模型の有限温度相転移: 確率級数展開(SSE)に基づく効率的なクラスター更新法により、定量的な相図を得た。特に、絶対零度でのコラムナーダイマー相が中間相なしにRK点まで伸びていることを強く示唆する結果を得た。4) プログラム開発・公開: 計算物質科学アプリ・ツールをおさめた統合パッケージ MateriApps LIVE!およびインストールスクリプト集MateriApps Installerについて、新しいアプリ・ツールの追加、OSのバージョンアップなど整備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
テンソル繰り込み群とマルコフ連鎖モンテカルロ法を組み合わせた手法の開発について、非常に大きな進展があった。全体としても、研究計画に挙げた基本原理の解明、アルゴリズム開発、強相関多体系への応用、大規模並列化、プログラム開発についても順調に研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度に大きな進展のあったテンソル繰り込み群とマルコフ連鎖モンテカルロ法を組み合わせた手法を中心にその高度化を進め、量子系や量子回路のシミュレーションへの応用を進める。その他、イベント連鎖モンテカルロ法の応用、負符号問題の解決、プログラム・ライブラリの開発と公開についても並行して研究を進める。
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Research Products
(15 results)