2021 Fiscal Year Annual Research Report
光量子コンピュータを用いた連続量量子アルゴリズムの実証
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20H01833
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
武田 俊太郎 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (80737304)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 量子光学 / 量子情報 / 量子コンピュータ / 連続量量子情報処理 / 量子アルゴリズム |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者はこれまで、次世代の超高速コンピュータとして、汎用・大規模光量子コンピュータを実現する独創的な手法を考案・開発してきた。本研究では、研究代表者の光量子コンピュータ固有の強みを活かし、実際に光量子コンピュータで意味のある問題を解くことを目指す。これは、将来的に光量子コンピュータを実社会応用していくための第一歩となる。
2020年度の時点では、本研究で用いるための、高性能な量子光源(光パラメトリック発振器)と高量子効率・広帯域なホモダイン検出器の開発に成功しており、その評価までを終えていた。2021年度は、それらの構成要素を組み合わせることで、本研究の量子計算を行うために必要な光回路系および制御電気回路系を全て完成させた。はじめに、完成した光回路を用いて基本的な量子計算の動作確認を行い、本目的を遂行する上で十分な精度で動作していることを確かめた。さらに、この光回路を用いて、実際に目標としている意味のある問題を光量子コンピュータに解かせる実験に着手した。この実験を始めると、実験パラメータの選び方や、実験結果の評価に必要なデータ点数などを再検討する必要があることが判明した。そこで、量子計算理論を専門とする他の研究者とも議論しながら、数値シミュレーションなども行い、実験条件を明確化した。この実験条件の下で、実際に光回路を動作させてデータを取得し、量子計算が想定通り正しく動作しているという確証が得られつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
既に、最終目標である光量子コンピュータを用いた量子計算の基本的な動作を確かめることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、実験データ取得を続けながらも、得られた実験結果をより詳しく解析してシミュレーション結果と比較する。さらに、それらの結果を論文として発表する。
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Research Products
(10 results)