2022 Fiscal Year Annual Research Report
Many-body effects in half-metals studied by bulk sensitive high-resolution spin-resolved photoemission spectroscopy
Project/Area Number |
20H01853
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
横谷 尚睦 岡山大学, 異分野基礎科学研究所, 教授 (90311646)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | ハーフメタル / 電子状態 / 多体相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究課題では、我々が世界に先駆けて成功したハーフメタルにおける多体効果の観測をさらに推し進め、ハーフメタルの特異な多体電子状態の解明を目指して、バルク敏感・高分解能スピン分解光電子分光を主たる実験手法として、ハーフメタルおよびハーフメタル候補物質のスピン分解電子状態を実験的に明らかにすることを研究目的とする。 2021年度に観測に行ったハーフメタルCrO2の高分解能真空紫外角度分解光電子分光(HR-VUVARPES)実験の結果の解析を進めた。観測したバンド分散とフェルミ面形状を、軟X線(SX)ARPESおよびバンド計算と比較した。VUVARPESの結果はSXARPESの結果と一致しており、VUV光を使ったARPESがバルク電子構造を強く反映していることを示した。VUVARPESのフェルミ準位極近傍のバンド分散にはキンク構造が観測された。キンク構造の結合エネルギーは100meV程度であり、フォノン状態密度では説明が難しいことがわかった。 ハーフメタル物質であるマンガン酸化物(La1-xSrxMnO3)膜に対する高分解能バルク敏感スピン分解光電子分光測定を行った。測定前に酸素雰囲気下でアニーリングを行うことにより、低温においてフェルミ準位近傍のスピン偏極率が100%に近い信頼性の高いデータを得ることができた。フェルミ準位近傍のスピンアップとスピンダウンスペクトル、およびスピン偏極率の温度依存性の測定から、温度上昇とともにスピンアップおよびスピンダウンスペクトル強度が徐々に減少するものの、フェルミ準位付近の電子状態全体のスピン偏極率には顕著な減少は見られないことがわかった。また、ハーフメタルにおける多体相互作用の結果として生じるフェルミ準位上でのスピン偏極率の顕著な減少も測定誤差の範囲内で観測されなかった。これらの結果は、CrO2のスピン偏極率の温度変化とは異なる。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(3 results)
-
[Journal Article] Anomalously large spin-dependent electron correlation in the nearly half-metallic ferromagnet CoS22022
Author(s)
H. Fujiwara, K. Terashima, J. Otsuki, N. Takemori, H. O. Jeschke, T. Wakita, Y. Yano, W. Hosoda, N. Kataoka, A. Teruya, M. Kakihana, M. Hedo, T. Nakama, Y. Onuki, K. Yaji, A. Harasawa, K. Kuroda, S. Shin, K. Horiba, H. Kumigashira, Y. Muraoka, T. Yokoya
-
Journal Title
Phys. Rev. B
Volume: 106
Pages: 085114-1~13
DOI
Peer Reviewed
-
[Presentation] ハーフメタルLa0.7Sr0.3MnO3の高分解能スピン分解光電子分光2023
Author(s)
横谷尚睦, 片岡範行, 脇田高徳, 藤原弘和, 福島優斗, 川口海周, 田中宏明, 森亮, 原沢あゆみ, 近藤猛, 組頭広志, 村岡祐治
Organizer
日本物理学会 2023年春季大会
-