2022 Fiscal Year Annual Research Report
電流駆動された磁気スキルミオン系における新奇非平衡相の開拓
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20H01866
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| Research Institution | Institute for Molecular Science |
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Principal Investigator |
佐藤 拓朗 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 助教 (60803749)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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| Keywords | スキルミオン / 非平衡相転移 / 電流誘起相変換 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、近年精力的に研究が行われている磁気スキルミオンを対象にして、平衡状態から電流駆動下の非平衡状態へと探索の舞台を拡張することで、新奇スキルミオン相の開拓を目指すものである。最終年度は、古典的な非平衡状態の1つである熱対流下において、ベナール対流に象徴されるように、流れの下で秩序構造そのものが変化するという現象に着目し、量子スピン系でそのアナロジーが展開できることを実証した。具体的には、電流印加によって、"スキルミオン"-"非スキルミオン"相の磁気変換を実験的に検出することに成功した。
スキルミオン相の変換は、典型的なスキルミオン物質であるMnSiのFIBデバイスを用いて、直流電流＋微小交流電流を印可し、大きな直流電流下でトポロジカルホール抵抗が消失することから確認した。さらに興味深いことに、観測されたトポロジカルホール抵抗の消失は不揮発であり、すなわち、いったんスキルミオンが消失すると直流電流印可を止めた後も、印可前の状態が持続することが明らかになった。スキルミオンがトポロジカルに守られており、その生成には大きなエネルギーギャップを超える必要があるという描像に矛盾しない結果である。なお、電流印可による発熱はせいぜい0.2 K程度であり、熱的な効果の影響は無関係であることが確かめられた。巨大電流印可による熱効果で、スキルミオンを"作る"という先行研究は多数報告されているが、電流で"非熱的"にスキルミオンを"消す"という報告は本研究を除いて過去全くない。今回の結果は、スキルミオンの新たな電流制御法の開拓という視点に加え、電流を制御パラメータにした非平衡相転移というより大局的な枠組みにおいても、極めて重要な進展だと考えている。
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| Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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| Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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