2022 Fiscal Year Annual Research Report
Universality in the dynamic heterogeneities and pseudo isotropic phases
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20H01869
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
山本 潤 京都大学, 理学研究科, 教授 (10200809)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 揺らぎ / 動的不均一性 / 揺らぎ顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は完成した揺らぎ顕微鏡装置を用いて、物質内の動的不均一生成やその動的構造の直接観察を行った。 1.光重合性ネマティック液晶の高分子化、およびゲル化過程(ゾル‐ゲル転移)の動的不均一性観測:重合過程やゾル‐ゲル転移では、透明・均質な状態を保ったまま、物質の動的性質が、不均一に変化する。これらの過程では、マクロな配向や濃度は均質・高透明なため、構造変化を観測することが極めて困難である。そこで、ネマティック液晶材料に光重合性のアクリレート液晶分子を混合し、光重合によるゾル‐ゲル転移過程で観測し、そのゲル化過程のメカニズムを研究した。ゾル状態では、均質で高速な配向揺らぎが観測されるが、ゲル化が進行するにつれて、動的不均一性が現れることを直接動画として確認することができた。 2.パターン励起光照射による動的不均一性観察:液晶プロジェクター映像を縮小し、観察しているサンプルに落射同時照射可能な装置を揺らぎ顕微鏡に搭載した。この装置を用いて、アゾ色素混合ネマティック材料に、青色のパターン光を照射して、人工的な動的不均一性を生成した。照射領域では、アゾ色素がシス体に励起されるため、液晶の配向秩序度を低下させて配向弾性率が弱められ、配向揺らぎの緩和周波数が低下すると予測した。我々は、弾性率の空間分布が変化する様子を揺らぎ顕微鏡の動画として観測することに成功した。 3.縞状励起光による周期的弾性率変調と電場誘起フレデリクス転移(液晶ディスプレイの駆動原理)および駆動電圧低減と高速応答の同時実現:ネマティック液晶セルを縞状のパターン光で励起すると、照射領域では配向弾性率の低下に伴う駆動電圧低減が実現できる。一方で応答速度も低下してしまい、駆動電圧低減と応答速度増大はトレードオフの関係となる。そこで照射する縞間隔を数μm程度まで精細化すると、応答速度が非照射領域のスピードに回復することを発見した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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