2022 Fiscal Year Annual Research Report
顕微イメージングを用いた非平衡ソフトマター不均一系の局所力学応答測定
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20H01873
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
木村 康之 九州大学, 理学研究院, 教授 (00225070)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロレオロジー / アクティブマター流体 / 液晶電気対流 / 差分動的顕微鏡 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度はミクロンスケールで局所的に非平衡状態に駆動した種々の非平衡ソフトマター流体を実現し、そのダイナミクスに関する研究を進めた。一部の成果は日本物理学会等で報告するとともに、国際誌への投稿準備中である。 [1] 空間光変調器を用いて円偏光多点光ピンセットを開発し、これを用いた3次元トラップしたミクロンスケールの液晶液滴の回転駆動系を実現した。さらに、これを局所力源として単純流体および粘弾性流体を局所駆動する新しい非平衡流体を実現した。ネマチック液晶液滴を用いた場合には、円偏光の向きにより液滴の回転方向が制御可能なこと、コレステリック液晶液滴の場合には、その回転方向が液滴のキラリティーで決まることを見出した。また、複数粒子を空間配置した系を実現し、局所循環流や局所シア流の実現に成功した。さらに、媒質の粘度が増加すると液滴界面で滑りが起こる可能性があることがわかった。 [2] 昨年度に引き続き、差分動的顕微鏡法(DDM)を用いて液晶電気対流中での局所非平衡揺らぎの測定を行った。印加する交流電場の周波数を変化させて、乱流の向きが揃っているノーマルロールとパッチ構造を形成しているオブリークロールでの測定を行った結果、いずれの場合も中間相関関数が2重緩和を示し、その緩和時間の波数依存性が一致することを見出した。この結果から、両者の局所揺らぎは同一であることを明らかにした。 [3] 金属・絶縁体ヤヌス粒子を単純流体および粘弾性流体に分散し、交流電場により誘起電荷電気泳動により駆動した非平衡流体を実現し、両者における粒子運動を調べた。その結果、既報同様に、単純流体中では重心の並進運動と角度の拡散運動により緩やかに向きを変える直線運動を示した。一方、粘弾性流体である十分に絡み合った準希薄高分子溶液中では回転運動が著しく加速され、閾値電場以上で円運動をする運動モードへ相転移することを見出した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(23 results)