2022 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of physics underlying spatiotemporal pattern formation in cell size spaces
Project/Area Number |
20H01875
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 慶 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (20580989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
義永 那津人 東北大学, 材料科学高等研究所, 准教授 (90548835)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ソフトマター / 反応拡散系 / 細胞サイズ空間 / 細胞極性 / 合成生物学 |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞内反応拡散波は、分裂面や運動方向の決定に関わるなど、生命の時空間情報を決定するが、その非線形性から通常の生物学的手法では動態の解析が困難であるため、物理的観点からの理解が不可欠である。そこで本研究では、人工細胞を用いた実験系と、実モデルと縮約変数モデルの反応拡散方程式を用いた理論系を組み合わせ、生命の時空間パターンを決定する細胞内反応拡散波の物理を確立することを目的とした。 本研究では、(A) 細胞内反応拡散波の1つであるMin波の空間相似性がなぜ生じるか、この現象はMin波特有か、細胞内反応拡散波において一般性も持つか、(B) Min波のモードを決定する形状効果は何か、(C) 外部からの擾乱に対してMin波を安定にする空間的果は何か、の追求を主軸に研究を展開してきた。2021年度までに (A-C) に関してほぼ全て解決できた。2022年度は唯一の残された課題である(B)の形状効果を検証に焦点をあてた。 空間形状の効果を検証すべく研究を行った。別グループとの共同研究を通し、マイクロデバイスを用いることで、人工細胞を大腸菌のような桿菌形状へと変形させることには成功した。しかし、マイクロデバイスの材料であるPDMS膜と脂質の相互作用や水の移動により安定したMin波が観察されない、これまでの研究からは特殊と言わざるをえないMin波の振る舞いが観察されるなど、表面加工の重要性が示唆された。ガラスキャピラリーによる吸引や、細胞骨格タンパク質や浸透圧による人工細胞の変形を試みたが、形状効果よりも変形のための手法によるMin波の変動が激しく、空間形状の効果のみを明確にする手法の重要性が示唆された。論文化に関しては、(B)においてはMin波のモード選択原理を解明した成果を、(A)と(C)の研究から発見したMin波の周期制御手法についてを、それぞれ論文として報告することができた。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(6 results)