2023 Fiscal Year Annual Research Report
Collective motions of catalytic particles driven by chemical reations
Project/Area Number |
20H01878
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
山本 大吾 同志社大学, 理工学部, 准教授 (90631911)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩井 章久 同志社大学, 理工学部, 教授 (00154162)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | アクティブマター / 有機燃料 / 触媒 / 集団運動 / マイクロモーター |
Outline of Annual Research Achievements |
近年,生物の集団運動から効率的に仕事を取り出す研究がなされている。例として,バクテリアは集団運動をすることで,自身よりもはるかに大きなラチェット構造をもつ歯車状粒子を一方向に回転させる現象が報告されている。このような生物の集団運動から効率的に仕事を取り出す系を人工的な化学システムにより再現することができれば,プロセスの自由度が飛躍的に上がり,従前にない革新的なエネルギー変換システムを構築できることが期待される。 本年度は,生物よりも単純な構造を有するPt触媒粒子がエタノール水溶液中で集団運動を行うことを利用して,歯車状粒子や手裏剣状粒子の効率的な自転仕事を取り出すことを試みた。本年度の成果として,密度を調整した歯車状粒子を底面に設置したところ,Pt粒子の集団運動によって形成したクラスターに押される形で自転運動を行うことを見出した。また,より非対称な形状である手裏剣型粒子を用いた場合には,振動運動ではあったが,歯車状粒子より激しく運動することを見出した。Pt触媒粒子の集団運動におけるエネルギー変換効率を概算したところ,化学エネルギーから運動エネルギーへの変換効率はおよそ10のマイナス8乗%,運動エネルギーから仕事の取り出しの効率はおよそ0.1%,総括のエネルギー変換効率はおよそ10のマイナス11乗%であった。これは,生体システムと比較して著しく小さい値である。実際,生体分子モーターの一種であるF1モーター(F1-ATPase)はATP(アデノシン3リン酸)の分解反応で得られた化学エネルギーを利用することで,ほぼ100%の変換効率で回転運動を行うことができる。しかしながら,本研究によって,非生物の微小アクティブマターから仕事を取り出すことを実験的に示せたことから,生物系でのモデルの一例となることが期待できるとともに,工学的応用への可能性を示すことができた。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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