2022 Fiscal Year Annual Research Report
Theoretical study of dark matter search using neutron stars
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20H01897
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
濱口 幸一 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 准教授 (80431899)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 夏海 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (60794328)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 暗黒物質 / 中性子星 / 標準模型を超える物理 |
Outline of Annual Research Achievements |
濱口、永田は電弱多重項暗黒物質の中性子星捕獲率を系統的に計算し、将来の暗黒物質直接探索実験ないし中性子星表面温度観測による探索によりこれらの暗黒物質模型を検証することが可能であることを明らかにした。 また濱口、永田は、本科研費での雇用による博士研究員Maura Ramirez-Quezada氏と共に、ミューオン磁気双極子モーメントの実験値と理論値のずれを説明可能な暗黒物質模型を考察し、それらの暗黒物質候補を中性子星表面温度観測によって探索しうることを示した。 Ramirez-Quezada氏は、球状星団M4中の白色矮星における暗黒物質の捕獲率を計算し、観測から得られる暗黒物質・核子散乱弾面積に対する制限が暗黒物質直接探索実験により課される制限と相補的であること、特にGeV以下の質量領域において後者よりもはるかに強い制限が得られること、を明らかにした。 濱口、永田は、MUonE実験を用いたU(1)Lmu-Ltauゲージボゾンの探索について研究を行なった。その結果、適切な選択基準を課すことで、ミューオン磁気双極子モーメントの実験値と理論値のずれを説明可能なパラメーター領域を含む広いパラメーター領域でU(1)Lmu-Ltauゲージボゾンが探索可能であるという結果を得た。 濱口、永田はは、Vector-like lepton模型における電子およびミューオンの電気/磁気双極子モーメントを計算し、ミューオン磁気双極子モーメントの実験値と理論値のずれを説明しつつ、電子およびミューオンの電気双極子モーメントが将来実験で検出される可能性があることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
・論文リストや学会発表リストにあるように、代表者・分担者・本科研費での雇用による博士研究員、みな順調に研究業績をあげている。 ・2022年7月、東北大学にて濱口がコロキウム招待講演「素粒子の標準模型を超える物理と超新星・ 中性子星」を行った。この他にも、本研究課題に関連したテーマに関して、 濱口・永田による招待講演が多数あった。このように本研究課題の研究は広く注目を集めており、波及効果も見られ始めている。
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Strategy for Future Research Activity |
中性子超流動渦糸の運動に伴う摩擦により生じる中性子星加熱効果を研究し、この効果を加味した中性子星表面温度理論予言が観測データを説明できるかどうかを吟味する。さらに、この加熱効果が存在する場合に中性子星に暗黒物質が捕獲されることに伴う加熱効果が見えうるかどうかを明らかにする。
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