2021 Fiscal Year Annual Research Report
高エネルギー大強度レーザー電子光ビーム生成によるハドロン物理学の革新
Project/Area Number |
20H01933
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中野 貴志 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (80212091)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村松 憲仁 東北大学, 電子光理学研究センター, 准教授 (40397766)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レーザー電子光 / 高エネルギー光ビーム / 高輝度光ビーム / ハドロン |
Outline of Annual Research Achievements |
SPring-8 のレーザー電子光ビーム施設では、ハドロンを記述するもっとも基本的な自由度として何が可能かという問いに答えるため、大型ソレノイド電磁石を用いた、ペンタクォーク粒子(シータ粒子)の検証やハドロン分子共鳴状態候補であるラムダ(1405) の構造を解明を目的としたベクターK 中間子光生成実験の実施が計画されている。本研究では実験に必要な最高エネルギー3 GeV の高強度高偏極光ビームを生成するために、波長266 nm の深紫外パルスレーザーをSPring-8 の蓄積電子ビームに同期して入射する。平均5 Wのレーザーパワーで従来のビーム強度の20 倍以上(毎秒 500億個の光子)のレーザー電子光ビームを生成し、多大な電力を消費するソレノイド電磁石の運転時間を抑えつつ、高統計実験を遂行することを目的とする。 令和3 年度には、パルスレーザーシステムをLEPS2に設置し、同期レーザー入射の安定性の確認を行なった。さらにレーザーの高繰り返し動作を安定的に実現するために266nm 波長変換ユニット内に波長変換結晶移動ユニットを導入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
令和3年度は266nm パルスレーザーを調整することにより平均周波数が10MHz以上の領域で最大出力が得られるようにし、様々なビームバンチモードでレーザー電子光ビームを生成するところまで達成することを目標としていたが、LEPS2実験での研究が波長355nmのレーザーを用いた最高エネルギーが2.4GeVのレーザー電子光ビームを用いる実験が主体となったため、266nm パルスレーザーの使用はR4年度に先送りになった。
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Strategy for Future Research Activity |
266nm パルスレーザーをLEPS2で使用するための準備は整っているので、LEPS2実験での3GeVビーム生成を本実験のスケジュールと折り合いをつけて、R4年度に実施する。
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