2022 Fiscal Year Annual Research Report
原始重力波の直接観測に向けた波形干渉を用いたレーザー干渉計の実験実証
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20H01938
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Research Institution | Japan Aerospace EXploration Agency |
Principal Investigator |
和泉 究 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構, 宇宙科学研究所, 准教授 (20816657)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 重力波天文学 / レーザー干渉計 / 雑音除去 / 装置開発 / 微小信号計測 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は計画の最終年度として、計画研究の集大成として以下の研究活動に注力する計画と決めていた。 (1) 雑音除去のためのオフライン信号処理アルゴリズムの実装 (2) 雑音低減効果の定量評価 これらの活動を通じて、当初の目標であるレーザー周波数雑音の低減効果1/100の達成を、地上テーブルトップ試験系において確認した。本実験結果は研究代表者が提案者する「波形干渉を用いた新しいレーザー干渉計方式」(近年、back-linked Fabry-Perot干渉計と呼ぶようにした)が、実際の系で実装可能であることを示す重要な結果である。現在、本結果をまとめた投稿論文を執筆している。 (1)雑音除去アルゴリズムについては成果の早期確認を目指すため、当初予定していた時間空間でのIIR(Infinite Impulse Response)フィルタによる実装には踏み込まず、比較的容易に実装可能なフーリエ変換を通じた周波数空間での雑音除去アルゴリズムをMATLAB上に実装した。雑音除去に必要となるフィルタのパラメタ値は実験系の測定値から予想されているものとよく一致しており、雑音除去の概念が実証されたと言える。 (2)雑音低減効果については、試験系に用いたレーザー光源の周波数成分に意図的に雑音を付加し、その雑音成分を(1)で実装した信号処理で除去できるか試験した。本試験により100HzからkHz帯におけるレーザー周波数雑音がおおむね1/100の低減効果を示すことが初めて確認できた。加えて、更なる低減の達成には試験系の技術雑音(特に音響振動効果など)を対策すれば良いとの見通しが立った。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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