2020 Fiscal Year Annual Research Report
Time-domain optical astronomy with photon counting technique
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20H01940
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
中森 健之 山形大学, 理学部, 教授 (30531876)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 時間領域天文学 / 光子計数 / MPPC / 中性子星 |
Outline of Annual Research Achievements |
4x4画素のガイガーAPDアレイセンサを開発してアマチュア望遠鏡でかにパルサーの周期信号を検出したという論文を出版した。同システムをかなた望遠鏡に搭載してかにパルサーを観測したデータ解析を進めている。定常パルスは数秒で検出できた。電波望遠鏡と同時観測をしており、巨大電波パルスとの相関を調べている。観測を通じて直面した課題を克服する開発を以下の通り進めた。 信号処理系が大掛かりで重量物であった。移植性の向上を目指した小型化のために、専用に設計したフロントエンド回路基板を制作し、要求を満たす増幅率、帯域、デジタル化の動作を確認した。FPGAによる光子検出時刻の収集システムを構築した。GNSSモジュールと接続することで絶対時刻の取得と安定した時刻精度を実現した。100 nsの時間分解能で単光子検出時刻が記録できることを、実験室中のLED照射実験により実証した。3軸ステージを搭載した治具を再設計し、より扱いやすい観測システムを組み上げた。 センサの面積が小さいことで観測の効率と測光精度に課題があった。これを改善するためにセンサの大面積化を進めた。メーカと打ち合わせを重ね、8x8画素のガイガーAPDアレイセンサを制作した。搭載する光学系により最適な画素サイズが異なるため、4種類のピクセルサイズを制作した。年度末に納品されたところであり、評価は次年度すぐに始める。 ワークショップの招待講演を通じて時間領域天文学と光学観測の専門家と意見交換を行い、今後の観測・開発の方向性について議論した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
行動制限が厳しく、開発のための出張や観測実験の遂行に大きな支障が出た。また降雪による望遠鏡格納小屋の機能喪失障害も発生し、身動きが取れなくなった。その一方で、新センサの制作を前倒して遂行でき、またFPGAによるデータ収集系の開発も計画通りに進んだため、総合的に判断して概ね順調であると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
4x4素子とFPGAで実装したシステムで天体観測を行い、システム全系の性能評価を行う。 再度電波望遠鏡との同時観測を調整計画する。 新しく制作した8x8画素素子の性能評価を行う。また汎用ASICの採用を検討し、8x8素子の信号処理回路の設計開発をすすめる。
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