2020 Fiscal Year Annual Research Report
Establishment of continuous atmospheric CO2 record for the past 7 million years
Project/Area Number |
20H01978
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
窪田 薫 神戸大学, 人間発達環境学研究科, 助教 (80774075)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 剛志 国立研究開発法人海洋研究開発機構, 超先鋭研究開発部門(高知コア研究所), 研究所長 (30270979)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | ホウ素同位体 / 有孔虫 / 二酸化炭素 / 炭素循環 / 海底堆積物 |
Outline of Annual Research Achievements |
二酸化炭素(CO2)は主要な温室効果ガスとして地球の気候変動を増幅させる作用があるため、過去の大気中CO2濃度の正しい制約は気候学的観点から非常に重要である。本研究では、浮遊性有孔虫のホウ素同位体指標を用いて、中新世(Miocene)後期から現在にかけての、高解像度かつ連続的な大気中CO2濃度の記録の作成を目指す。 2020年度は、研究代表者が最近異動した先の神戸大学において、研究計画を遂行する上で必要となる設備を整えることを第一目標とした。まず、堆積物中の浮遊性有孔虫を拾い出し、洗浄し、酸で溶解し、micro-ditilationによるホウ素の単離を行うまでの一連のプロセスを可能にする必要がある。まず、前任の教員の実験室を引き継ぐにあたり、実験室を徹底的に清掃することから着手した。それに続いて、堆積物から浮遊性有孔虫を洗い出し、ふるいでサイズ分けを行い、実体顕微鏡下で拾い出すまでの実験環境を整備した。また、10月から技術補佐員を雇用し、一連の作業に習熟させた。これまで研究代表者が行っていた作業を、技術補佐員が独立して行うことが可能になった。中でも有孔虫の拾い出しはもっとも時間のかかる作業のため、今後の研究計画を遂行する上で大きな助けとなることが期待される。また、有孔虫の洗浄や化学処理を行うための設備を整えた。具体的には、耐酸ホットプレートやテフロン製の器具類、超純水製造装置、試薬類を一通り揃えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
新型コロナウイルスの感染拡大によって、2020年度はじめの2ヶ月間はほぼ在宅勤務だったため、実験環境の整備に遅れが生じた。異動先の研究環境を一から整える必要があり、実験室の清掃など、実験以外のことに多くの時間をとられた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、化学実験が行えるような実験環境の整備を進める。2020年度の終わりに超純水製造装置も導入されたため、試薬等の希釈もようやく可能になった。微量かつ高精度のホウ素同位体分析のためには、実験環境からのホウ素汚染を徹底的に低く抑える必要がある。そのために、まずは実験室内のホウ素汚染の影響を定量化する必要がある。クリーンブースも新たに導入する予定のため、暴露実験等を通じて、ホウ素汚染が低減できるかどうかを確かめる。ホウ素の定量には神戸大学所有のICP質量分析計またはICP発光分光分析計を用いる予定である。さらに、実験に用いる器具やバイアル類の洗浄についても、効果的かどうかのテストを行う必要があり、ホウ素の定量を通じて評価する予定である。その後、有孔虫を洗浄するための実験器具(アスピレーターなど)についても整備する予定である。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Antarctic icebergs reorganize ocean circulation during Pleistocene glacials2021
Author(s)
Aidan Starr, Ian R. Hall, Stephen Barker, Thomas Rackow, Xu Zhang, Sidney R. Hemming, H. J. L. van der Lubbe, Gregor Knorr, Melissa A. Berke, Grant R. Bigg, Alejandra Cartagena-Sierra, Francisco J. Jimenez-Espejo, Xun Gong, Jens Gruetzner, Expedition 361 Science Party (Kaoru Kubota et al.) et al.
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Journal Title
Nature
Volume: 589
Pages: 236~241
DOI
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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[Presentation] Boron Contamination during Boron Isotope Analysis of Planktonic Foraminifera2020
Author(s)
Kubota, K., Y., Ishikawa, T., Nagaishi, T., Kawai, T., Sagawa, T., Ikehara, M., Yokoyama, Yamazaki
Organizer
Goldschmidt 2020
Int'l Joint Research
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[Presentation] Annual record of boron isotopes of massive Porites coral skeleton from Chichijima Island in the western North Pacific2020
Author(s)
Kubota, K., Nakano, R., Murayama, M., Ishikawa, T., Yokoyama, Y., Suzuki, A.
Organizer
JpGU-AGU 2020
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