2023 Fiscal Year Annual Research Report
Long-term earthquake and tsunami history of the Nankai Trough: Reliable identification of geological traces and high-precision and high-accuracy dating
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20H01980
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
藤野 滋弘 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (80466234)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宍倉 正展 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 研究グループ長 (00357188)
谷川 晃一朗 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (30613541)
松本 弾 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (80709551)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 津波堆積物 / 南海トラフ / 津波 / 再来間隔 |
Outline of Annual Research Achievements |
南海トラフ沿岸地域における津波浸水履歴を明らかにすることを目的として,三重県鳥羽市で採取したボーリングコア試料の解析を進めると共に,和歌山県日高町,大分県佐伯市において調査を行った. 三重県鳥羽市で採取したボーリングコア試料から見つかった18枚のイベント層に対して微化石分析を実施したところ,全てのイベント層から海生珪藻や有孔虫などが見つかった.このことは全てのイベント層が海浜または海底から供給された土砂であり,これらのイベント層が津波堆積物である可能性が高いこと示す.このボーリングコア試料に対して高密度で年代測定を実施したところ,再来間隔は100-800年の間で変化していたことが明らかになった.三重県における古津波堆積物の先行研究の結果や,歴史記録から推察される津波浸水履歴もこの結果と整合的であった.以上の成果は2023年地球惑星科学連合大会などにおいて公表した. 和歌山県日高町における調査では3層のイベント層を発見した.これらの内2層は,海生珪藻が産出することや沈降を示す珪藻群集組成変化があること,Ca, Srなどの海水の影響を示す元素が増加することなどから,津波などの海水の侵入によってできた層であると解釈した.2層のイベント層の年代はそれぞれ6900-7300年前,4600-4900年前であった.徳島県でも4600-4900年前に重なる時期に沈降と津波堆積物の形成があったことが先行研究によって報告されている.和歌山県と徳島県で沈降を伴う津波の堆積物が見つかったことは,少なくともこの時期に紀伊半島西部から四国東部に至る範囲で南海トラフの断層破壊が発生していたことを示す. 大分県佐伯市における調査では約6300-6900年前の層準から2-5枚のイベント層を発見した.これらのイベント層からのみ浮遊性海生珪藻が産出したことから,これらのイベント層は津波などの海水の浸水によってできたと結論付けた.
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(9 results)