2021 Fiscal Year Annual Research Report
Challenges to deep sea paleoceanography by establishing oxygen isotope proxy of siliceous sponge spicules
Project/Area Number |
20H02017
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
池原 実 高知大学, 教育研究部自然科学系理工学部門, 教授 (90335919)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井尻 暁 神戸大学, 海事科学研究科, 准教授 (70374212)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 酸素同位体比 / 珪質海綿骨針 / 四国海盆 |
Outline of Annual Research Achievements |
四国海盆内および周辺海域において本研究に適用できる海底コアとして前年度に選定したトカラ海峡東方のTSK-1PCを主な試料と設定し、コア全体のおよそ300層準から浮遊性有孔虫3種(Globigerinoides ruber、Globigerinoides sacculifer、Globorotalia inflata)を抽出し、質量分析計IsoPrimeにて炭素・酸素同位体比を測定した。また、TSK-1PC の13層準から浮遊性有孔虫の表層種(G. ruber、G. sacculifer)を抽出し、放射性炭素年代を委託分析した(前年度に8層準実施)。その結果、コア最下部(14m)が約6万年前であり、平均堆積速度が約24cm/1000年であった。年代の逆転がなく、タービダイトなどのイベント堆積物もほとんど挟在しないことから、TSK-1PCは古海洋変動研究にとって極めて良質の海底コアであることがわかった。TSK-1PCおよび四国海盆表層堆積物からの珪質海綿骨針の抽出を行い、酸素同位体分析の準備を進めた。また、東シナ海における現生の珪質海綿サンプルの収集を進めた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
表層堆積物に含まれる珪質海綿骨針および底生有孔虫の個体数が当初の想定よりも少ない試料が多く、分析試料の抽出に時間を要している。また、海綿骨針の酸素同位体分析のための質量分析計DeltaPlus Advantageの制御パソコンが1月に故障したため、同位体分析は次年度に先送りとなった。
|
Strategy for Future Research Activity |
表層堆積物からの分析試料の抽出作業を継続し、珪質海綿骨針および底生有孔虫の酸素同位体分析を行う。現生の海綿骨針の形態観察を研究協力者に依頼し、種もしくは属レベルで鑑定することで生態学的な基礎情報を収集する。その上で、酸素同位体分析データを検討する。トカラ海峡東方の海底コアTSK-1PCにおける珪質海綿骨針の抽出作業を継続し、順次酸素同位体分析を進めてデータを蓄積する。
|