2021 Fiscal Year Annual Research Report
レーザー支援電気泳動堆積およびプラズモン加熱焼結による超微細立体造形法の開発
Project/Area Number |
20H02044
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
岩田 太 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (30262794)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 篤史 静岡大学, 電子工学研究所, 教授 (20435639)
中澤 謙太 静岡大学, 工学部, 助教 (50824520)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | レーザートラップ / 電気泳動堆積 / ナノ微粒子 / アクティブマニュファクチャリング / 微細加工 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的はサブミクロン精度の微細立体造形法であるレーザー支援電気泳動堆積法(研究代表者の独自技術)において,金属ナノ微粒子の基板表面への堆積と同時に局所加熱焼結させながら立体造形する手法を確立することである.堆積中のナノ微粒子に近赤外光レーザー等を照射することで,ナノ微粒子凝集体のみに加熱焼結を生じさせる.これにより,堆積加工した微細構造物の機械的および電気的な物性が向上させ,MEMSなど実用的なデバイス応用を目指す.確立した手法を用いてシンプルなデバイスを試作し,本手法の実用性を検証する. 2021年度は2020年度に構築した実験装置を用いて,堆積中において,その場でプラズモン加熱によるナノ微粒子凝集体のアニーリングを実施し,加工実験のパラメータの最適化に着手した.すなわち,この堆積過程において定期的に近赤外レーザー照射を繰り返すことでナノ微粒子焼結を行う過程において,加熱焼結におけるレーザー出力や照射タイミング,テージ移動速度など各種パラメータの条件出しに取り組んだ.本研究を進める過程において,レーザー加熱した場合にコロイド溶液が熱で劣化してしまい,造形の制御性の低下を招き,意図的な造形ができなくなる問題が生じた.これに対して溶液を流動させながら堆積する手法を開発することでこの問題を解決できた.造形した立体構造物はFocused Ion Beam(FIB)で断面を露出し,エネルギー分散型X線分光法機能を有する電子顕微鏡(SEM-EDX)を用いて焼結状態の観察や組成分析を評価した.その結果,アニーリングにおける有意差を確認できた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的はサブミクロン精度の微細立体造形法であるレーザー支援電気泳動堆積法において,金属ナノ微粒子の基板表面への堆積と同時に局所加熱焼結させながら立体造形する手法を確立することである.この研究において,液中環境での加熱において,アニーリングの有意さを確認できるかが,重要なステップであるが,これに対して,明らかな有意差を確認できており,本手法が堆積手法として改善できる見通しを立てることができた.また,液中で加熱したことでコロイド溶液が劣化する問題点が生じたが,これについても流動させながら加工する新たな手法を提案し,実際に効果的な対策としてこの問題を解決できた.これらの結果,目的どおり順調に進展させることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までに実現した堆積中におけるその場でのプラズモン加熱によるナノ微粒子凝集体のアニーリングに関して,レーザー強度や堆積速度など各堆積パラメータを変化させた際の堆積状態の物性評価に取り組む.堆積法としては,昨年度改良した手法であるコロイド溶液を流動させながら堆積するシステムを用いて取り組む.本手法により堆積した構造物における機械的物性などがアニーリング無しで堆積した構造物と比較して,著しく向上するためのパラメータの最適化を行う.物性評価法について,前年度までに確立した手法として,造形した立体構造物をFocused Ion Beam(FIB)で切断し,露出した断面をエネルギー分散型X線分光法機能を有する電子顕微鏡(SEM-EDX)を用いて焼結状態の観察や組成分析を定量的に評価する.また,局所領域での弾性などの微弱な力学物性評価を行うために,SEM真空チャンバー内で動作する微弱フォースセンサーを有するマニピュレータを構築し,SEMで観察しながら力学物性を評価・計測する.
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Research Products
(3 results)