2020 Fiscal Year Annual Research Report
Experimental and numerical study on generation of ideal oscillating grid turbulence and turbulence diffusion process
Project/Area Number |
20H02064
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
森西 洋平 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40222351)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
玉野 真司 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40345947)
山田 格 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 助教 (40772067)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 乱流 / 振動格子乱流 / 実験計測 / DNS |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、A)実験における理想的な振動格子乱流場の実現、B)振動格子乱流に対する高速DNSアルゴリズムの構築と大規模DNSの実施、C)実験およびDNSデータによる乱流拡散過程のシナリオとメカニズムの解明、を研究目的としている。これらのうち研究初年度である令和2年度はA)とB)を開始した。 A)では、従来の振動格子乱流の実験的研究において曖昧にされてきた二次循環流れの抑制を検討した。ウオータージェット加工で平面性を高めて作成された乱流生成格子の使用、支持肢位置の高さの検討、内箱の設置、下柵の設置、乱流生成格子の接合部の改良による水平性の向上、を行い、PIVを用いて流れ場を計測した。その結果、内箱の使用と乱流生成格子の水平性の向上が二次循環流れの抑制に効果がある事が示されたが、いまだ対称で弱い二次流れが存在している。こで今後、水平性を高めた乱流生成格子によって、改めて内箱の設置および下柵や網等の抵抗体の設置の効果を検討することとした。 B)では、これまでトポロジー的に1つの直方体領域で構成される流れ場に適用が限定されてきた高速ポアソン解法をより複雑なトポロジーの乱流場へ拡張するため、まずインフルエンスマトリックス法と領域分割法を用いた振動格子乱流の高速DNSコードを作成した。さらに、低解像度、中解像度、高解像度の差分格子を用いた振動格子乱流のDNSを開始した。令和2年度は無次元時間 fg t = 180 までの計算を実施したが、流れ場はいまだ統計的定常状態に達しておらず、さらに計算を継続することとした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
A)実験における理想的な振動格子乱流場の実現:二次循環流れを抑制したより理想的な振動格子乱流場を実現するため、まず現有の実験装置を改良し、ウオータージェット加工で平面性を高めて作成された乱流生成格子の使用、支持肢位置の高さの検討、内箱の設置、下柵の設置、乱流生成格子の接合部の改良による水平性の向上、を行い二次循環流れの抑制効果を検討した。実験は主に、角棒径 d = 10 mm、メッシュサイズM = 50 mm、格子振動ストローク S = 60 mm、格子振動周波数 fg = 2 Hz、作動流体水、でPIV計測を実施した。これらにより、内箱の設置が有効であること等を明らかにしたが、いまだ非対称な弱い二次循環流れが発生した。そこで乱流生成格子の接合部を改良して水平性を高めたところ二次循環流れはより対称となった。そこで今後、水平性を高めた乱流生成格子によって、改めて内箱の設置および下柵や網等の抵抗体の設置の効果を検討することとしている。 B)振動格子乱流に対する高速DNSアルゴリズムの構築と大規模DNSの実施:高速ポアソン解法の適用を振動格子乱流のDNSに適用できるように、インフルエンスマトリックス法と領域分割法を用いた振動格子乱流の高速DNSコードを作成し、計算領域 4M×4M×40M に対し低解像度(格子数 100×100×700),中解像度(格子数 200×200×1400)、高解像度(格子数 300×300×1900)の差分格子を用い、Re = fg M 2/ν = 5000, S/M = 4/5, 5/5, 6/5, d/M = 1/5 の計算条件のDNSを開始した。令和2年度は無次元時間 fg t = 180 までの計算を実施したが、流れ場はいまだ統計的定常状態に達していない。そこで、今後まずは統計的定常状態が得られるまで計算を継続することとしている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的A)~C)のうち、まずは引き続きA)~B)を実施し、進捗に応じてC)を開始する。 A)実験における理想的な振動格子乱流場の実現:二次循環流れを抑制したより理想的な振動格子乱流場を実現するため現有の実験装置をさらに改良する。これまでに、内箱の設置は有効である事等を明らかにしたが、いまだ非対称な弱い二次循環流れが発生した。そこで乱流生成格子の接合部を改良して水平性を高めたところ二次循環流れはより対称となった。そこで今後、水平性を高めた乱流生成格子によって、改めて内箱設置の効果および下柵や網等の抵抗体の設置の効果を検討する。 B)振動格子乱流に対する高速DNSアルゴリズムの構築と大規模DNSの実施:昨年度までにインフルエンスマトリックス法と領域分割法を用いた振動格子乱流の高速DNSコードが完成し、計算領域 4M×4M×40M に対し低解像度(格子数 100×100×700),中解像度(格子数 200×200×1400)、高解像度(格子数 300×300×1900)の差分格子を用い、Re = fg M 2/ν = 5000, S/M = 4/5, 5/5, 6/5, d/M = 1/5 のDNSを開始している。昨年度は無次元時間 fg t = 180 までの計算を実施しているが、流れ場は統計的定常状態に達しておらず、本年度はさらに統計的定常状態が得られるまで計算を継続する。その上で、十分な格子解像度を特定した後、DNSの計算結果を用いて乱流統計量や乱流渦構造の検討を行う。 C)実験およびDNSデータによる乱流拡散過程のシナリオとメカニズムの解明:実験では二次循環流れが十分に抑制されれば、DNSでは統計的定常状態が得られれば、本検討を開始する。
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