2021 Fiscal Year Annual Research Report
Innovative manufacturing of advanced composites using electrodeposition resin molding and vibration optimization
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20H02094
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
本田 真也 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90548190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片桐 一彰 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (70521277)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 電着樹脂含浸法 / 先端複合材料 / 逐次近似最適化法 / 減衰性能 / 最適設計 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は,電着含浸法およびファイバー縫付機により作製されたCFRP積層板の減衰特性を同定する手法を開発し,その手法を平織(PW)材や一方向強化(UD)板に適用することで,,材料定数となる異方性を示す本研究独自の手法により作製したCFRP板の減衰特性を同定した. 本年度は先に求めた材料定数を用いて,強化繊維である炭素繊維が曲線状に配置された場合に,板全体としての減衰性能(モード減衰)を最適に設計することを試みた.振動特性を有限要素法で推定する際の曲線状の繊維の表現には,本研究独自の方法を用いており,以下の通りである.ガウス関数の重ね合わせである放射状基底関数(RBF)により任意の曲面を定義し,その等高線を水平面に射影することで,任意の曲線を表現している.RBFのパラメータを変更することで,自由度の多い様々な曲線群が表現できる.最適化手法には,一般的な粒子群最適化(PSO)に非線形項を追加した手法を用いた. 最適化の結果,得られた曲線状の繊維形状を有する複合材は直線状の強化繊維を持つ板よりも高い減衰性能を有することがわかった.また,得られた最適設計案を基に,ファイバー縫付機および電着樹脂含浸法で複合材を作製し,減衰性能を計測した結果,数値計算結果と同様に,最適な曲線繊維形状が優れた減衰性能を有していることが確認できたため,本手法の有用性が確認できた. また,効率的な逐次近似最適化手法も満足化トレードオフによる単一目的化を適用することで,多目的最適化問題に適用することができ,例題で良い結果が得られた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平板において得られた最適化結果を実験により検証できており,中間成果としては順調である. また,開発した最適化手法も予定通り多目的最適化へと拡張できており,概ね順調に進捗していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度までに複合材平板に対する曲線状繊維束の隙間(Gap)や重なり(Lap)を考慮した板厚の推定手法,振動減衰性能の推定を行い,今年度は最適化問題まで発展した.次年度は,これら一連の確定した手法を,一般的な機械構造で多く利用されている殻(シェル)構造へ拡張する.まずは有限要素法などで用いられる形状関数を用いて簡易的に座標変換を行い,シェル構造においても曲線状強化が効果的であるかを確認する.その後,実験による検証準備を行い,次々年度へとつなげる. 電着樹脂含浸法に関しては,その電気的特性も評価項目に追加する.電着技術は各種部品の絶縁手法としても利用されており,炭素繊維がどの程度電気的に絶縁されているかを確認する.また,本手法で用いている電着液は,水溶性であるため,天然由来の材料であるセルロースナノファイバー(CNF)と相性が良い.そのため,セルロースナノファイバーを絶縁層として利用することで,平板キャパシタへの応用を可能性を検討する.
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Research Products
(2 results)