2021 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanical metamaterial design theory and its application to wearable vibration energy harvesting technology
Project/Area Number |
20H02095
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
鈴木 孝明 群馬大学, 大学院理工学府, 教授 (10378797)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノデバイス / マイクロナノメカトロニクス / MEMS / メタマテリアル / 振動発電 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、申請者の独自微細加工技術である3Dリソグラフィ法を用いて微細構造を組み合わせたメカニカルメタマテリアル構造を製作すると共に、その構造を用いて、デバイス外部環境の機械エネルギーをデバイス内部の振動、変形エネルギーに効率的に変換する圧電型振動発電デバイスを開発する。具体的には、3つの研究項目として、①メカニカルメタマテリアル構造の検討、②振動発電デバイスの発電特性評価、③ウエアラブル応用検討からなる。 本年度は、研究2年目として、初年度に開始した①と②について、2Dメタマテリアル構造を対象とした解析試作を通して設計技術構築を進めるとともに、③の実環境を想定した発電評価方法の検討を開始した。 研究項目①については、昨年度の研究の結果、比較的構造がシンプルな2Dモデル(蝶型構造)の寸法最適化がある程度得られたことから、最終年度に向けて、徐々に複雑な2Dモデルの設計原理へと展開することを試みた。研究項目②については、引き続き、メカニカルメタマテリアル構造を含む振動発電デバイスとして、複数のデバイス形状(ユニモルフ型、バイモルフ型、ダイヤフラム型など)の検討を継続した。特に、昨年度導入した高電圧アンプを用いた分極処理方法の検討を進めて、圧電膜の成膜再現性の向上を検討した。研究項目③については、人の歩行振動による発電特性検証を開始し、小型無線モーションレコーダを用いて歩行振動を計測し、加振器によって、デバイスを実環境に近い状態で振動評価した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、3つの研究項目として、①メカニカルメタマテリアル構造の検討、②振動発電デバイスの発電特性評価、③ウエアラブル応用検討からなる。本年度は、昨年度に続き、①と②について、2Dメタマテリアル構造を対象とした弾性体の解析試作評価と、発電デバイスへの適用について検討するとともに、③の応用検討を開始した。 研究項目①については、複数のモデルを使った有限要素法解析(構造解析、モーダル解析)と実験による試作評価をさらに進めることで、メカニカルメタマテリアル構造の設計原理を抽出、検討してきた。とくに本年度は、2Dモデルと3Dモデルの加工法検証が進み、解析と実験での検証が進んだ結果、複数の書籍(分筆)の出版に至った。研究項目②については、メカニカルメタマテリアル構造を含む振動発電デバイスとして、複数のデバイス形状(ユニモルフ型、バイモルフ型、ダイヤフラム型など)の検討を進めた結果、発電するフレキシブルプリント基板という新たな概念の創出に至り、その概念検証を開始した。また、研究項目③については、人の歩行により生じる振動波形の計測・解析を開始し、実験・評価系の構築に必要な、人の歩行振動を実験装置上で再現する振動パラメータの抽出ができた。 なお、当初予定の研究期間中に、感染症の濃厚接触者や罹患者が研究グループに複数発生したため、実験が進められなかった期間が生じたが、2年度目の研究経費を繰越申請して、研究スケジュールを組み直すことで、当初予定の計画を本研究期間中に終えることができた。また、その組み直しの実験のなかで、新たな発電方式に対する知見が得られ、論文化にも至っている。
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Strategy for Future Research Activity |
当該研究課題の最終年度となる次年度は、研究項目②と③を中心に、発電デバイスの特性評価と応用について、検討を進める。 研究項目②については、引き続き、メカニカルメタマテリアル構造を含む振動発電デバイスとして、複数のデバイス形状(ユニモルフ型、バイモルフ型、ダイヤフラム型など)の検討を継続する。特に、実用性を考慮した検討として、環境振動の方向とデバイスの主とする振動方向にずれが生じた場合の発電特性の評価と、さらなる新規構造の素子形状の提案による、角度ずれの対応策について検討する。 研究項目③については、人の歩行振動による発電特性検証を継続する。特に、人体の運動のランダム性として、繰り返し時の加速度のばらつきや、加速度の周波数の変化などを考慮に入れた実験系を構築し、ウエアラブルデバイスとしての有用性を検証する。
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Research Products
(26 results)