2022 Fiscal Year Annual Research Report
革新的再生医療のための細胞の動力学モデルに基づく力学環境の制御
Project/Area Number |
20H02099
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
白石 俊彦 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (30361877)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 機械力学・制御 / 振動学 / 細胞のダイナミクス / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
動力学環境による細胞の増殖・分化について,骨芽細胞を用いて加速度振幅0.5 G,振動数12.5~100 Hzにて,大きさの異なる培養容器を用いて振動下での内部の培地の流れを考慮して実験を行い,増殖・分化の振動数依存性を確認した. 動力学環境での細胞メカノセンサとして,細胞核に注目した場合,振動数12.5~100 Hz,加速度振幅0.25~2 Gでの実験の結果,細胞核に弾性変形および剛体変位がともに生じ,さらにその再現性を確認した.また,0.5 Gにて,加速度振幅の増大とともに細胞核の剛体変位が増大する振幅依存性を示した. 動力学環境での細胞メカノセンサとして,焦点接着斑に注目した場合,振動数12.5~50Hzでのカルシウム応答の実験の結果,その立ち上がり時間に振動数依存性があることを示した. 再生医療による治療が強く望まれている軟骨への動力学環境の応用において,骨芽細胞で効果的であった12.5 Hz,0.5 Gの機械的振動の軟骨細胞への影響を実験的に検証した.その結果,12.5 Hz,0.5 Gの機械的振動は増殖では影響がないものの,軟骨組織の基質産生量が振動なしに比べ増加することを示した. 生体組織および再生組織の各場所に適切な動力学環境を実現するために,音響ホログラフィと呼ばれる手法を利用して,超音波振動子を多数アレイ状に並べて各振動子の位相を制御することで,空間に所望の変動する圧力分布を形成可能か検討した.その結果,反復角スペクトル法とAdamによる最適化法を組み合わせることで,2次元平面および2次元平面を重ね合わせた3次元空間において,医療応用を考えた多数の制御点にて,所望の動力学環境が与えられることを数値シミュレーションにより示した.また,超音波振動子を多数アレイ状に並べた装置を試作し,臨床の骨折線に対応した動力学刺激分布が実現可能なことを実験的に示した.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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