2021 Fiscal Year Annual Research Report
薄膜状電子デバイスの複曲面上実装を実現する微細毛柔軟静電吸着ハンドリングシステム
Project/Area Number |
20H02112
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
齋藤 滋規 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (30313349)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田岡 祐樹 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 助教 (50845766)
武田 行生 東京工業大学, 工学院, 教授 (20216914)
宝田 亘 東京工業大学, 物質理工学院, 助教 (50467031)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 静電吸着 / 生産技術 / 生体模倣 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、薄膜状対象物を自在に吸着・離脱可能にする『微細毛柔軟静電吸着ハンドリングシステム』を創製し、従来、取り扱いが困難だった薄膜状対象 物の自在ハンドリングを可能にすることにある。具体的には、『微細毛柔軟静電吸着モジュール積層デバイス』および『各デバイスを連結し曲面に対応させる劣駆動閉リンク機構』を実現し、システムを統合・制御することで、フィルム状/シート状の対象物に対して「確実な吸着」と「容易な離脱」の両立を可能にする 技術体系を確立することである。 2021年度は、「双極型『ヤモリ型静電チャック』モジュール積層化によるデバイスの大面積化」のための「微細毛柔軟静電吸着デバイス(改良型)の設計・製作・評価」、「劣駆動閉リンク機構による大面積フィルムハンドリングシステムの開発」を行った。デバイスとして針先端に自由度を与えた機構を3Dプリンターによって試作をした。針先端の回転自由度を、なし・1・2・3と変化させたデバイスの静電吸着力を実験的に計測し、比較した。これにより針先端に自由度を有することで、自由度のないデバイスと比較し有意に静電吸着力が向上することが明らかになった。また、導電と絶縁を繰り返す5層のポリマーによる複合材料を試作し、デバイスを切り出すことでデバイスを作成した。既存の3Dプリンターでは試作できないほど薄いデバイスを作成することに成功した。その性能は静電吸着力によって評価した。また、「劣駆動リンク」の試作品と静電吸着モジュールを統合した試作を行った。実験によって、劣駆動リンク機構の設計上の課題や静電吸着モジュールの設計上の課題が明らかになった。他にも、静電吸着モジュールの針と薄膜を離散的にモデル化することで、薄膜の貼り付けの際の薄膜や針の挙動をモデル化し針の変形も考慮した貼り付け軌道を提案した。これらの研究により、研究プロジェクト遂行のための指針を得た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
微細毛構造によって表面柔軟性を持つ静電吸着デバイスの設計・製作・性能評価を行った他、把持対象物の大面積化に向けて劣駆動リンク機構の設計・試作・性能評価を行った。今後、モジュールを積層や劣駆動リンク機構とのさらなる統合により把持対象物の大面積化を行う。また、統合されたデバイスとロボットアームを用いて大面積のシート状材料のハンドリングの実験を行い、静電吸着デバイスを用いた物体の把持離脱の条件について物理的な洞察を深める必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
微細毛柔軟静電吸着ハンドリングシステムの開発に向けて,今後の研究推進の方向性はいくつかある.一つは,列駆動リンク機構、静電吸着モジュールを統合し、産業用のロボットアームを用いてマニピュレーションすることで、大面積の把持離脱に関わる要件を明らかにしていく。もう一つは,針先端に自由度を有する微細毛静電吸着デバイスの力学モデルの構築による,把持・離脱の条件の解明である.
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Research Products
(6 results)