2022 Fiscal Year Annual Research Report
Control of gliding microtubules using surface roughness structure and its application to nano transportation system
Project/Area Number |
20H02117
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Research Institution | Yamaguchi University |
Principal Investigator |
中原 佐 山口大学, 大学院創成科学研究科, 准教授 (00756968)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MEMS / MicroTAS / キネシン / 微小管 / 表面粗さ |
Outline of Annual Research Achievements |
生体分子モータのキネシンと、細胞骨格の微小管による運動系(微小管運動)を体の外で再構築し、ナノスケールの輸送体として応用する研究が行われている。微小管の移動速度を制御する方法については、これまでに多くの方法が提案されてきたが、構造によって受動的に制御する方法は極めて少ない。本研究では新たな速度制御方法として、ナノメートルオーダーの表面粗さ構造に着目した。表面粗さ構造に対する微小管運動の特性変化のメカニズムを明らかにするとともに、その特性を利用したナノ輸送システムを開発することが本研究の目的である。 2022年度においては表面粗さ構造における微小管運動の特性変化を明らかにするとともに、その特性を用いたナノ輸送システムの開発をおこなった。表面粗さ構造における微小管運動の特性評価については、表面粗さが徐々に増大する階段状表面粗さ構造を製作し、各段における算術平均粗さや凹凸の平均長さ、および最大高さ粗さが微小管運動に与える影響を調査した。その結果、算術平均粗さの増加に伴い微小管の移動速度は減少する傾向がみられ、最大高さ粗さと微小管速度の相関がみられた。剥離や停止など、微小管運動の挙動変化については、上記の指標との明確な相関はみられなかったが、算術平均粗さが48nm以上のとき、60%以上の微小管が停止していることを確認した。また、微小管運動を用いたナノ輸送システムを構築するために、マイクロスケールの微小な階段状表面粗さ構造を製作し、その構造上での微小管運動を観察した。その結果、微小管が構造上で移動する様子を確認するとともに、段差を越えて運動を継続する様子を一部で観察した。一方、輸送システムとしての有用性を実証するためには、微小管運動の特性評価に加えて、粗さ構造による運動特性変化を用いた対象分子の濃縮または分別など、特定のアプリケーションに向けた定量評価が今後必要であると考える。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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