2021 Fiscal Year Annual Research Report
Objective and Quantitative Assessment of Reproduction of Tactile Feeling
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20H02121
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
三木 則尚 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 教授 (70383982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石塚 裕己 大阪大学, 基礎工学研究科, 助教 (40784418)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 触覚 / 触覚ディスプレイ / 事象関連電位 / 皮膚変形 / 自然言語処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、触覚ディスプレイ―触感の順問題・逆問題を高確度かつ効率的に達成するために、特に、触覚ディスプレイによる触感の再現を定量的に、客観的に評価する手法を確立することである。 研究代表者のグループは、事象関連電位(ERP)による、触覚特性の導出について継続的に研究を行っている。触覚実験においてはトリガーのタイミングががずれることにより、従来の加算平均によるERP導出が困難な点について、今年度は新たに、少数のサンプルの加算平均を行った後、これらの群の間でトリガータイミングをずらしながら相関係数を計算、最も相関が高いときがトリガータイミングだと判断する手法を確立した。サンプル群の取り方でデータオーギュメンテーションができること、また群の大きさについての最適値を実験的に導出した。このとき、従来は深く議論されてこなかったERPそのものの評価方法についても提案を行った。 研究分担者のグループは、皮膚モデルの妥当性について検討を行った。作製した有限要素法解析用の皮膚断面モデルをプローブで押し込んだ際の皮膚内部のミーゼス応力の分布を取得し、既存研究におけるミーゼス応力の分布とを比較したところ、それらの傾向や値はおおよそ一致することが確認できた。このモデルを応用して、指を板に押し付けた際に血流によって生じる色の変化の分布と、ミーゼス応力の分布を比較したところ、これらに相関があることが確認できた。 さらに、言語コーパスにおける触覚関連オノマトペ間の相関を、自然言語処理により導出した。これにより、触覚特性を、被験者実験なしで導出することが可能になった。この成果は触覚研究における新たな手法を提案するもので、ブレークスルーをもたらすと予想される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、触覚ディスプレイ―触感の順問題・逆問題を高確度かつ効率的に達成するために、特に、触覚ディスプレイによる触感の再現を、ERPならびに皮膚の変形から定量的に、客観的に評価する手法を確立することである。 触覚実験においてERPの取得が困難な理由の一つであるトリガータイミングのずれについて、補正する手法を提案し、その有効性を実験的に示すことができた。来年度以降触覚実験の評価に用いることができる。また皮膚変形についてはモデル構築が進み、こちらも触覚実験に適用できる目途が立った。 さらに今年度は、言語コーパスにおける触覚関連オノマトペ間の相関を、自然言語処理により導出する手法や、触覚ディスプレイの逆問題を、駆動条件と官能評価結果を合わせたデータセットの機械学習により導出する手法など、触覚研究に機械学習を適用する基盤プラットフォームを確立することができた。そのため、進捗を当初の計画以上に進展している、とした。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度導出手法を確立したERPならびに、構築した皮膚変形モデルを用い、触知覚メカニズムの解明、ならびに触覚ディスプレイの評価を行う。さらに、機械学習を用いた触覚特性の導出についても研究を進めていき、触覚研究における新しいアプローチの提案ならびに、その応用について研究を進めていく。
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Research Products
(5 results)