2022 Fiscal Year Annual Research Report
モータドライブの実省エネと高信頼により多様化に優れるダイバーシティインバータ開発
Project/Area Number |
20H02127
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
芳賀 仁 静岡大学, 工学部, 准教授 (10469570)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊東 淳一 長岡技術科学大学, 工学研究科, 教授 (90377218)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | パワーエレクトロニクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,商用電源をもつ可変速モータドライブのグローバルな普及を目指して,モータを設置する電源環境,負荷変動に制約がなく,電源に悪影響を与えず,小型軽量省エネで多様性に優れるモータドライブ「ダイバーシティインバータ」を開発した。 本年度は,単相商用電源をもつダイバーシティインバータの負荷変動に着目した制御技術の開発として、単相電解コンデンサレスデュアルインバータを用いたロータリ圧縮機駆動時における次数間高調波電流の低減を目的としたパワーデカップリング制御法を提案した。圧縮機特有の周期的トルク脈動による電源系統への影響を緩和する制御法を検討した。提案制御法は,負荷電力および負荷電流より,1次側インバータのP軸電圧指令値をフィードフォワードで算出する。また,電源力率向上のために,d軸電流を用いて1次側インバータ出力の安定化を図る。 提案制御法の有効性を検証するために,オープン巻線IPMSMおよび電解コンデンサレスデュアルインバータを用いた実機実験を行った。実験結果より,従来制御法と比較して,提案制御法は次数間高調波である20 Hzと80 Hzの高調波電流をそれぞれ68%,72%減少し,電源力率を11 pt.改善した。また,高調波グルーピング測定結果より,提案制御法によって2次高調波電流を0.88 Aから0.29 Aへと67 %低減した。加えて,提案制御法では,負荷変動成分が増大しても,低THDを維持し続け,定格負荷条件下で,電源電流THDを26 pt低減した。 以上より,提案制御法の有効性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
負荷特性に配慮した電解コンデンサレスインバータの制御法を提案でき、実験により有効性まで確認できている。
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Strategy for Future Research Activity |
単相商用電源を対象にした負荷変動に着目したダイバーシティインバータの回路構成と制御構成の構築の目途はついた。今後は、当初の予定であるシステムの高効率化に配慮した制御方法に着手する。
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