2022 Fiscal Year Annual Research Report
Multiscale modeling of degradation of electrical insulating material
Project/Area Number |
20H02140
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Research Institution | Osaka Research Institute of Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
岩田 晋弥 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 主任研究員 (10642382)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
木谷 亮太 地方独立行政法人大阪産業技術研究所, 和泉センター, 研究員 (90761619)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 絶縁劣化 / 電気トリー / 分子動力学計算 / 量子化学計算 / 有限要素解析 / エネルギー解放率 / 部分放電 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
高分子電気絶縁材料は、電力インフラを支える重要な要素のひとつであり、その劣化や破壊の原理を解明することが喫緊の課題である。2022年度は、主に以下の項目について研究を実施した。 [1]量子化学計算を利用したCOGEF法によって、分子の開裂力を導出した。具体的には、アルカン分子およびその酸化物を対象とし、開裂力を算出しポテンシャルモデルの考察を進めた。 [2]架橋ポリエチレンは、もっとも広く使用されている電気絶縁材料のひとつであり、その劣化抑制のために様々な添加剤が導入さる。例えば、ポリエチレンの架橋に用いられるDCP(Dicumyl peroxide)の分解残渣、界面活性剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤などがある。2022年度は、複数の分解残渣分子が混在する系において、分子動力学計算を使用し、分子の拡散を評価した。また、共同研究者が進める電流積分電荷法による高分子絶縁体内を通過する電荷の測定実験とも比較を実施した。 [3]部分放電の解析は、絶縁劣化の初期過程の理解に欠かせないだけでなく、劣化診断にも利用される。本研究では、深層学習を用い、位相パターンデータから総当たり的に評価する手法を試みた。また、畳込み深層学習で作成した診断用学習済モデルにSHAPを適用し、学習元の画像において推論への影響度が強いエリアの可視化に成功した。 [4]絶縁体内の電気トリーの発生と進展は、絶縁劣化の典型例のひとつであるが、その駆動力については未解明な点が多い。2022年度は、主に電気トリーの多次元構造(例えば分岐構造の形成)についての考察を進め、力学的効果と電場による欠陥まわりのエネルギー解放率について検討した。 [1]~[4]に関する成果は、学会発表(主に電気学会)および論文発表を中心に報告した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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