2020 Fiscal Year Annual Research Report
ダイナミック周波数共用に向けたリアルタイム電波環境マップ構築基盤に関する研究開発
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20H02143
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森川 博之 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 教授 (50242011)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
成末 義哲 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 助教 (70804772)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電波環境マップ / ダイナミック周波数共用 / 伝搬損失モデル / 機械学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,ダイナミック周波数共用に向けたリアルタイム電波環境マップ構築基盤を低コストに実現することにある.トラヒック急増に伴う電波資源の逼迫を解決するため,ダイナミック周波数共用に向けた法整備が急ピッチで始まっており,リアルタイム電波環境マップの構築が望まれている.2020年度の検討では,電波環境マップ構築ソフトウェア基盤として,機械学習型伝搬損失モデル構築機構の検討を行なった.伝搬損失モデルを用いることにより,センサ群による電波強度計測値を入力として,電波強度計測値の存在しないセンサ群周辺領域に対しても電波強度を推定することができる.従来,伝搬損失モデルはパラメトリックなアプローチが一般的であったが,パラメータ数が限られるためその表現力に限界があった.それに対し,複雑な伝搬に対応する手法として近年台頭しているのが機械学習を用いて伝搬損失モデルを構築するアプローチである.本研究では,送信機位置と電波強度計測値群のみから,周囲の建造物等の地域環境を考慮した伝搬損失モデルを高精度に構築する手法を開発した.伝搬損失モデルを画像として捉え,数ある機械学習手法のなかから画像処理分野で豊富な成功事例を有するCNNを採用し,CNNのなかでも様々な方式を比較検証するとともに,パラメータと性能との依存関係を評価した.伝搬損失モデルの精度検証に加え,D2D通信をアプリケーションとして想定した性能評価により,検討した機械学習型伝搬損失モデル構築機構の有用性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響を踏まえて,ソフトウェア基盤の研究開発を優先的に検討した.現在までに電波環境マップ構築方式において着実な成果が得られており,研究開発は順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
電波強度計測機構の検討を進めるとともに,それと機械学習モデルを用いて得られる電波環境マップのアプリケーションについても先行して検討を開始する.アプリケーションについてより具体的には,従来から検討されている電波環境マップのアプリケーション群に加え,無線通信と無線給電の周波数共用など現実的かつ未踏な領域をターゲットとして設定し,電波環境マップの活用方法の検討を進める.
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Research Products
(2 results)