2020 Fiscal Year Annual Research Report
Fundamental study of basic technology to realize digitization of small-capacity power transmission
Project/Area Number |
20H02151
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
引原 隆士 京都大学, 工学研究科, 教授 (70198985)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
持山 志宇 京都大学, 工学研究科, 助教 (20867866)
カステッラッズィ アルベルト 京都先端科学大学, 工学部, 教授 (70866897)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 電力のデジタル化 / ワイドバンドギャップ半導体 / デジタルアクティブゲートドライブ / 電力伝送 / 演算処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
GaN, SiC 等のワイトバンドントギャップ半導体パワー素子を適用し,電力のデジタル化とその基盤技術を確立する.二次電池を含む小容量の電 源を伝送網上において分散配置し,直・並列,および演算を,電力のデジタル化技術により実現する.ワイドバンドギャップ半導体パワー素子 による,数百V,数十A 定格の電力のスイッチングが可能になり,kW オーダーの小容量のシステムにおいて,電力のデジタル化の要素技術が整い,パワー素子のデジタル7駆動および制御技術が可能になっている. 本研究では,電力のデジタル化化技術を,デジタルタルデジタルアクティブゲートドライブ技術 ,デジタル電力の伝送制御技術,電力の演算処理技術に基づ;き実現する. 令和2年度 はデジタルアクティブゲートドライブ回路の8bit化,駆動信号の最適化を進めた. ワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスの高速・高周波駆動を実回路に実装するためには,ワイドバンドギャップ半導体素子の特性のバラツキを調整する必要がある.当該年度に於いては,新しく GaN HEMT を用いたデジタルアクティブゲートドライブ回路の開発を進めた.その結果,デバイス毎の回路のチューニングを排除し,ソフトウエアによるデジタル化したゲート信号のアクティブな調整を可能にし,複数スイッチのスイッチング動作を揃えることができることを示した.さらに,遺伝的アルゴリズム (GA) など,データ駆動のアルゴリズムにより,各素子に最適なゲート信号の生成ができることを,シミュレーションおよび実験により示した.国際会議等でこれらの成果の一部を発表すると同時に,現在これらの成果を論文として取り纏めている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ワイドバンドギャップ半導体パワーデバイスの高速・高周波駆動を実回路に実装は,ワイドバンドギャップ半導体素子の特性のバラツキを調整する必要がある.デジタルアクティブゲートドライブ技術は,そのハードウエアによる調整をソフトウエアに転換するというポテンシャルを有している.当該年度に於いては,新しく GaN HEMT を用いたデジタルアクティブゲートドライブ回路の開発を進め,ビット数を増やしたデジタルアクティブゲートドライブの実現を進めた.その結果,ブリッジ回路におけるスイッチのスイッチング動作を揃えることが可能ことを確認した. さらに,遺伝的アルゴリズム (GA) など,データ駆動のアルゴリズムにより,各素子に最適なゲート信号の生成ができることを,シミュレーションおよび実験により示した.これにより,デジタルツインの環境を構築し,今後の回路開発に適用する環境が構築できた.今後は,これらのシミュレーションによる最適化と実験データによる最適化の整合性を図ると共に,デジタルアクティブゲートドライブ技術へのフィードバック制御の適用の可能性を確認する必要がある. 一方で,デジタルアクティブゲートドライブ回路自体の損失の問題がある.この点に関して,パルス密度によるデジタルアクティブゲートドライブの可能性を検証するため,新たなゲートドライブ回路の設計を行った.これらについては引き続き検証を進めていく予定である.
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Strategy for Future Research Activity |
デジタルアクティブゲートドライブ回路の実現により,従来のアクティブゲートドライブ回路の研究では検討されてこなかった,データ駆動型の研究推進が可能になった.これはパワーエレクトロニクス分野では画期的なことと評価できる.遺伝的アルゴリズム (GA) など,データ駆動のアルゴリズムにより,各素子に最適なゲート信号の生成ができることを,シミュレーションおよび実験により示した.これにより,電力変換回路自体の設計をデータに基づき調整することが可能になった.これらの点は,当初は予定していなかったが,新たな知見となっており,今後の電力のデジタル化の考え方の中で明確にして行きたい.また,実験回路のデジタルツイン環境の構築は,今後の回路開発の新たな 手法となる.これらの展開による新たな研究分野の創出も意識した研究を進めて行きたい. 令和3年度に得られた成果に関して,特に再開されることが決まったワイドバンドギャップ半導体に関係する国際会議等で発表していくと共に,論文誌への投稿を進める予定である.
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