2021 Fiscal Year Annual Research Report
Ultrasonic visualization of thoracic vertebrae for supporting epidural anesthesia
Project/Area Number |
20H02156
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
金井 浩 東北大学, 工学研究科, 教授 (10185895)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荒川 元孝 東北大学, 医工学研究科, 准教授 (00333865)
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
大西 詠子 東北大学, 大学病院, 助教 (10822265)
森 翔平 東北大学, 工学研究科, 助教 (50815149)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 硬膜外麻酔 / 胸椎間隙 / 超音波医学 / 散乱特性 / 反射特性 / 可視化 / 散乱角特性 / 超音波プローブ |
Outline of Annual Research Achievements |
皮膚表面から胸椎間隙へ麻酔針を穿刺する硬膜外麻酔においては,間隙が狭く,棘突起が伸びていることから,適切な位置への穿刺が困難である.臨床では,穿刺位置を確認するために,超音波を用いることがあるが,超音波を散乱する筋肉と,超音波を反射する骨の描出を区別できないため,穿刺位置の描出が不鮮明である.先行研究では,遅延加算処理前の各素子で得られる生の受信信号から散乱と反射の違いを検討し,骨のような反射体からの反射波が,各素子データにおいて時間方向に広がることを利用した方法を提案している.しかし,この方法は,時間方向に幅を持った領域で受信パワーを平均化していることから,ある観測点におけるパワーを求める際に,それ以外の対象物からの反射波の影響が重畳し,空間分解能が低下するという課題があった. そこで本年度は,散乱と反射で振幅角度特性が異なることを利用して,胸椎を鮮鋭に描出する方法を研究開発した.具体的には以下の2つを目的として研究を行った.(1)各素子の包絡線振幅の瞬時値から求めた振幅角度特性から,散乱と反射の違いを特定した.そのため,ある点P(x,z)で計測した振幅角度特性 R(θ;P) に対して,水槽実験で得られた散乱特性,反射特性群を参照することで,対象物が散乱体か反射体かを推定した.計測データと参照データを比較するために,2乗平均平方根誤差を用いている. (2)散乱と反射の振幅角度特性の違いを用いて,描出において筋肉を抑制し,骨を強調することで,胸椎間隙を鮮鋭化した.そのため,計測した振幅角度特性の角度依存性に応じてB-mode像を強調した。θ 軸方向に移動平均した R(θ;P) の最大値と最小値の比をB-modeの振幅に掛けることで,散乱を抑制し,反射を強調できる.これらの方法を,水槽実験とin vivo実験へ適用し有効性を確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は,振幅角度特性の角度依存性が,散乱で小さく反射で大きいこと,また反射の振幅角度特性が反射体の傾きに依存することを見出した.新たな胸椎描出法を研究開発し,最後にin vivo実験によって本手法の有用性を示すことができた.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画を変更し,研究実施計画を実施する。 (1) 胸椎は,表面が微妙に曲面になっており,かつ微小な凹凸をもっている。このような対象から得られる反射波,散乱波がどのような角度特性をもつかを,模擬実験とアクリルブロックを用いた水槽実験,さらに胸椎模型の計測結果を用いて検討する。特に,素子データと,送信開口幅との関係について詳細な検討を行う. (2) 骨の反射特性と筋肉の散乱特性の差異を明確化する点に重点をおいていたが,胸椎間隙の描出がどこまで可能となるかを詳細に調べる必要がある。具体的には,超音波ビームの走査角を振ることでその描出がどの程度可能かを調べるが,素子データに関しても検討する。
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Research Products
(19 results)