2022 Fiscal Year Annual Research Report
がん診断治療への最適化を目指したマルチコア構造磁性ナノ粒子の磁化応答モデル構築
Project/Area Number |
20H02163
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Research Institution | Shizuoka University |
Principal Investigator |
大多 哲史 静岡大学, 工学部, 准教授 (30774749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
倉科 佑太 東京農工大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (40801535)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 磁性ナノ粒子 / 磁気緩和 / 高調波 |
Outline of Annual Research Achievements |
磁性ナノ粒子は磁場に反応するベクトル量(磁化)を有するため、磁場に対して応答を示す。がん診断において、腫瘍に集積させた磁性ナノ粒子を可視化する磁気粒子イメージングと、交流磁場印加による粒子の発熱を利用した低侵襲ながん温熱治療を併用した、診断治療の実用化が期待されている。本研究では、診断治療への応用を期待されている、複数のコア粒子が集合して実効的に単一粒子として機能するマルチコア構造について、その磁化応答を解明することを目的としている。以下に2022年度に実施した研究及び得られた成果を示す。 (1)10 ns程度でのスイッチング時間であるパルス励磁システムを用いて、10 ms程度まで磁気緩和(磁化の過渡的な応答)を観測した。マルチコア磁性ナノ粒子と比較対象としてシングルコア粒子の計測を実施した。その結果、マルチコア構造の中でもナノフラワーと呼ばれる構造の磁性ナノ粒子については、粒子自体の物理的回転を制御した固体試料では、コア粒子個々の応答が支配的であるのに対して、水中に分散させた液体試料では、ナノフラワー(凝集体)として応答している可能性を実測した。 (2)接着細胞が培養ディッシュに接着している生きた状態で、細胞内に取り込まれた磁性ナノ粒子の磁化応答を観測することは、磁性ナノ粒子のバイオ医療分野への応用において重要である。磁性ナノ粒子を取り込んだ接着細胞に加えて、水中に分散させた試料と、エポキシ樹脂により固定した試料を用意して、磁化の高調波成分を検出することで磁気特性を比較した。細胞が接着状態においても、粒子自体の物理的回転は抑制されており、さらに細胞内における凝集の影響で、双極子相互作用が作用して、磁化が減少する可能性を実測から示した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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