2021 Fiscal Year Annual Research Report
Construction of a Next-Generation Control Theory Driven by Highly-Complex Signals
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20H02171
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
西村 悠樹 鹿児島大学, 理工学域工学系, 准教授 (20549018)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 訓志 大阪大学, 工学研究科, 准教授 (60533643)
中村 文一 東京理科大学, 理工学部電気電子情報工学科, 教授 (70362837)
星野 健太 京都大学, 情報学研究科, 助教 (10737498)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 非線形制御 / 確率制御 / 最適制御 / 不連続制御 / ラフパス解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
政府の「未来投資戦略2018」で求められている次世代モビリティや航空宇宙産業の理論的支柱であるシステム制御理論において,システムが持つ非線形性・不規則性・不連続性・高周波振動性等の複雑な性質を解析し制御設計に役立てる必要がある。本研究課題では,これら複雑な性質を高度複雑信号(ラフ信号)と捉え,その統一表現である非線形ラフシステムに基づく制御理論を提唱する。また,当該理論を電気系・ドローン・宇宙機の制御問題などに応用する。 2021年度は2年目であったが,初年度に引き続き本研究課題の根幹部分について理論構築するとともに,実験環境を整備した。具体的には以下を実施した。 理論面では,スライディングモード制御のように不連続特性を持つシステムのラフシステム化を開始するため、確率安定論的側面からの解析を引き続き実施した。また,非線形確率システムにおける安定論の再整理を伴うラフシステムへの本格的な拡張のため,非平滑確率リャプノフ関数や確率有限時間安定性・確率有界性についての考察を続けた。 応用面では,電動車椅子の実験環境整備と制御のための既存結果の追実験を実施してラフ制御への糸口を探ったほか,超音波モータのラフ制御化のための有限時間整定制御を確率論をベースに検討し,サーボ制御実験を行った。そのほか,ラフ制御をするために有用と考えられる応用研究として,非線形制御理論に基づくロボットアームの衝突回避制御や船舶の軌道追従制御,非線形確率制御理論に基づくクアッドコプタの最適姿勢制御や宇宙機の姿勢制御などについて引き続き検討を続けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理論研究のための環境整備を引き続き進めた。特に、確率システム制御理論からラフシステム制御理論に昇華させるための理論的考察を引き続き行った。ただし、ステップアップのためのしっかりとした理論整備は終わっておらず、応用に向かうにはもう少し検討が必要であることも分かった。また、有限時間安定化されたシステムのチャタリング現象の理論的考察は当初予定よりも難航しており、成果に至っていない。 また、実験研究のための機材は概ねセットアップを終えているが、超音波モータ・電動車椅子・車両ロボットの成果は所属機関内での発表に留まっている。環境整備自体は更によくなるよう、引き続き整理中である。
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Strategy for Future Research Activity |
理論研究においては、有限時間安定化されたシステムのチャタリング現象を理論的考察することにより、制御信号のラフ信号としての次数を導出し、ラフシステムを導きたい。また、電動車椅子をラフ制御により緊急回避等のヒューマンアシスト制御を構築したい。また、確率システムからラフシステムへと昇華する道のりをよりはっきりとさせたい。各種の成果を学会発表・論文発表を多く行いたい。
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Research Products
(7 results)