2021 Fiscal Year Annual Research Report
Machine Learning under Differential Equations: An Approach by Non-smooth Optimal Control
Project/Area Number |
20H02172
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Research Institution | The University of Kitakyushu |
Principal Investigator |
永原 正章 北九州市立大学, 環境技術研究所, 教授 (90362582)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 最適制御 / スプライン / 機械学習 / COVID19 / パンデミック |
Outline of Annual Research Achievements |
サイバーフィジカルシステムにおいては,物理空間の制御対象のセンサデータにもとづいて,機械学習によりシステム同定や行動予測,さらには制御を行う必要がある.しかし,従来の機械学習は制御対象の動的な振る舞いを陽に考慮する形にはなっていない.本研究では,動的システムの間欠的な状態観測値から,その連続軌道を予測する問題を考察し,制約付きノンパラメトリック回帰問題として定式化する.
制約付きノンパラメトリック問題は適切に変換を施すと最適制御の問題となることを確認した.その特徴を最適制御の必要条件から分析し,さらに確率的方法による新しい最適制御の数値解法を提案した.具体的には,有限個のデータセットが与えられたときに,それらデータにフィットする滑らかな曲線を求める問題(平滑化スプライン)を考察の対象とした.データ点上での制約を付け加えたときの最適曲線を制約付きの最適制御問題として定式化し,必要条件を導出した.さらに,その必要条件である2点境界値問題を高速に解くアルゴリズムを開発した.このアルゴリズムは,Robbins-Monroアルゴリズムを拡張したものであり,確率的手法により初期推定値を求める.さらにニュートン法により,数値解の精密化を図る手法を提案した.これらの手法は,論文としてまとめられ,Optimal Control, Applications and Methods誌およびIEEE Control Systems Letters誌にて公表された.
さらに,電動車いすを用いて,障害物を避けつつ,目標点まで到達する制御アルゴリズムを実装し,実験を行った.自己位置推定の誤差が大きく,障害物をうまく避けられない状況も観察された.大きな観測雑音が存在するもとでの最適制御問題の定式化が重要であることが認識された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究計画通りに,機械学習の問題を最適制御問題として定式化し,その必要条件の導出と数値解法の検討は予定通りに進んでいる.さらに,電動車いすの実験環境の構築および制御アルゴリズムの実装も当初の予定通り順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画通り,新しい枠組みでの機械学習アルゴリズムを実システムに適用すべく,電動車いすを制御対象とした自動運転実験を進め,実環境においてもロバストに動作する制御アルゴリズムの開発を行う予定である.
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