2022 Fiscal Year Annual Research Report
High Jc superconducting film by controlling the nanostructure and carrier density.
Project/Area Number |
20H02184
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
三浦 正志 成蹊大学, 理工学部, 教授 (10402520)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 臨界電流密度 / 超伝導薄膜 / ナノコンボジット / 磁束ピン止め点 / キャリア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、超伝導の3つの臨界状態の中でも応用上重要である臨界電流密度 (Jc)を特にひずみとキャリア制御により向上させる。また、その結果をもとに多くの超伝導材料に適するJc向上に向けた材料設計指針を確立することを目的とした。また、本研究で実施する①ナノ異相導入+②ひずみ制御+③キャリア密度制御の融合』は、多くの機能性電気薄膜の機能をさらに引き出すのに貢献する知見を得ることを目指す。 2022年度は、独自薄膜作製法(液相法)を応用して①超伝導相に対してインコヒーレント(粒子との界面の結晶格子が不連続)非常伝導相BaHfO3ナノ粒子を導入することで、YBa2Cu3Oy(Y123)薄膜の結晶性や格子定数にほぼ影響なく高密度(80×1021個/m3)な磁束ピン止め点を導入することに成功した。②Y123薄膜へのひずみ導入は、超伝導相よりc軸長の長い積層欠陥の密度を制御することで調整した。③酸素雰囲気下熱処理を制御することでBaHfO3導入Y123薄膜のCuOチェーンに高密度酸素を注入しキャリア密度を制御し、特に重要なパラメータである熱力学的臨界磁場向上に成功した。この結果、①②③の融合を実現し、超伝導電流向上に重要な各パラメータを向上させ、世界最高の超伝導臨界電流密度を達成した(2023年5月時点)。また、種類の異なる鉄系超伝導Ba122:P薄膜作製には、独自薄膜作製手法(気相法)を応用し、①と③を融合することでBaZrO3導入Ba122:P薄膜の特性向上に成功した。 これらの結果は、NPG Asia Materials 2022, Nature Materials2023へに研究内容を掲載した。また、国際学会9件、国内学会2件で研究成果を発表した。
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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