2022 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of new magnetic wire memory with rare-earth and transition-metal ferri-magnetic magnetic wire that achieves both ultra-low power consumption and ultra-high speed
Project/Area Number |
20H02185
|
Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
粟野 博之 豊田工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (40571675)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | 磁性細線 / 電流磁壁駆動 / 電流磁壁移動速度 / 希土類・遷移金属合金 / 電流パルス幅 / 電流密度 / 角運動量補償組成 / 温度依存性 |
Outline of Annual Research Achievements |
革新的に低消費電力で、かつ高速データ記録再生可能な磁性細線メモリの基盤技術確立を目指して希土類・遷移金属合金あるいは多層膜を用いた磁性細線メモリの検討を行った。 ①希土類としてGdを、遷移金属としてFeCoを用いたGdFeCo/Ptヘテロ磁性細線のパルス電流による磁壁駆動電流密度は、従来のフェロ磁性体Co/Ni多層膜/Ptヘテロ構造磁性細線に比べて電流密度を約半減でき、この状態(10MA/m2)で、磁壁の駆動速度を約7倍高速化(2000m/sec)した両立条件を見出した。 ②磁壁移動速度はパルス電流幅を短くすると高速化した。この磁壁移動速度の速い場合と、遅い場合の磁壁形状を観察した結果、パルス幅が短く磁壁移動速度が速い場合には、磁壁移動前後で磁壁形状が維持されているが、パルス幅が長くなると磁壁移動中に磁壁形状が丸みを帯びて変形することがわかった。磁壁駆動メカニズムには、スピントランスファートルク(STT)とスピンオービタルトルク(SOT)の2種類があるが、磁壁の移動方向からしてSOTが主たる働きをしているが、このSOTでは重金属層Ptからのスピンホール効果とGdFeCo層のネール磁壁が直交しているときが最も大きな磁壁駆動トルクを発揮する。したがって、短パルスのときにはネール磁壁とスピンホール効果が全磁壁位置で直交するため高速に磁壁を駆動できたが、長パルスになるとネール磁壁が湾曲してスピンホール効果と直交しない部分が生じ、磁壁移動速度が減少したと考えられる。 ③磁壁移動が高速化すると、この磁壁移動に伴うスピン起電力が磁壁移動の妨げとなることが危惧される。そこで、GdFeCo層の磁壁を外部磁界で駆動して生ずるスピン起電力を測定した。その結果、スピン起電力が従来報告例よりも3桁大きいことを見出した。しかし、逆起電力としては小さいので上記メモリ使用には問題にならないことがわかった。
|
Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Research Products
(8 results)