2021 Fiscal Year Annual Research Report
Interfacial structure control for domain wall memories with low-power consumption
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20H02196
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
小峰 啓史 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (90361287)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
青野 友祐 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (20322662)
長谷川 靖洋 埼玉大学, 理工学研究科, 准教授 (60334158)
千葉 貴裕 福島工業高等専門学校, 一般教科, 講師 (90803297)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | トポロジカル絶縁体 / 磁性絶縁体 / ダンピング定数の電界制御 / スピン波情報処理 |
Outline of Annual Research Achievements |
トポロジカル絶縁体として期待されるBi-Sb薄膜を作製するため,Sb用Kセルを導入し,機器の基本特性および成膜条件を精査した.既設のBi用Kセルと合わせて2つのセル温度を調整することで,膜厚および組成制御が可能となった.厚膜の電気特性を測定したところ,従来報告されているバルクの電気抵抗率と同等の膜質のBi-Sb薄膜が得られることを確認した. 前年度までに検討したトポロジカル絶縁体(Topological Insulator, TI)を用いたFET型素子の発展形として,近年,スピン波情報処理で注目されている磁性絶縁体(Ferrimagnetic Insulator, FI)とTIの積層構造において,スピン波の電界制御を検討した.スピン-電荷ポンピングによる散逸トルクが磁化の時間変化に起因するトルクになることに着目して,ダンピング定数の電界制御を試みた.その結果,ゲート電圧によって,大きくダンピング定数を変えられる可能性を示唆した.電界制御したダンピング定数を通じてスピン波伝搬を変調することが可能であり,スピン波を利用した新しい情報処理技術への応用が示唆された.また,磁性絶縁体を利用したスピン波の電界制御は,電流-電圧で制御するこれまでのスピントロニクス素子に比べて,格段の省電力動作が期待できる. 並行してナノワイヤメモリ素子の試作も行った.ナノインプリントリソグラフィによる素子作製を試みて,100nmから2μm幅のナノワイヤを形成するプロセスを構築した.被覆型ナノワイヤの作製過程で複合磁性体の磁気特性を調べた結果,磁気パターンを別の磁性体薄膜に転写する方法を発明して,HDDへの有用性についても成果報告した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度,コロナ禍により導入が遅れたKセルおよび素子加工機器が導入出来たこと,実験に必要な人件費が確保できたことから,前年度までの遅れが解消されつつある.さらに,当初予定よりも省電力なスピン情報処理技術を提案するに至り,計画全体としてはおおむね順調に進展している.
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Strategy for Future Research Activity |
今年度までに,いくつかの具体的な省電力動作手法の提案を行っており,今後はこれらに用いる具体的な材料の電子状態や実験研究を中心に行う.磁壁移動に伴う情報処理に加えて,スピン波情報処理への新たな展開も示唆されることから,これらを組み合わせた新デバイスの提案,原理実証を計画に沿って行う予定である.
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Research Products
(11 results)