2021 Fiscal Year Annual Research Report
低温ナノ接合界面における光学機能発現と集積フォトニクス応用
Project/Area Number |
20H02207
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
多喜川 良 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (80706846)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山口 祐也 国立研究開発法人情報通信研究機構, ネットワーク研究所フォトニックICT研究センター, 研究員 (30754791)
坂本 高秀 東京都立大学, システムデザイン研究科, 准教授 (70392727)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 薄膜LNOI/Si光変調器 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度に引き続き、酸化物材料の低温ウエハ接合及び透明接合界面の形成技術の開発を進めた。これまで得られた低温接合界面に関する知見を活かし、本年度は活性化された接合表面のX線光電子分光法等による表面分析を中心に行い、接合界面状態の把握に努めた。加えて、強固な接合界面を実現するための各種中間層形成条件・活性化条件等の策定を行った。ニオブ酸リチウム(LN)結晶とSi熱酸化膜の接合のみならず、タンタル酸リチウム(LT)結晶、サファイア、ガラス、シリコン等の酸化物材料・半導体にも本接合手法を適用した結果、接合強度の向上に有効であることも確認できた。これらをベースに得られた薄膜LNOI/Siウエハを利用し、この上に強い光閉じ込めLN導波路(直線・マッハツェンダー型構造)及び高周波金属電極等を形成し、電気光学変調器(位相・強度変調器)のウエハレベル作製に成功した。この変調器作製のための加工プロセス中に、LNとSi熱酸化膜間の接合界面における剥がれ等は見られなかったことから、デバイス応用に耐え得る強固な接合強度が得られていることが分かる。この薄膜LNOI光変調器に電気信号を印加し光変調特性の測定を行った結果、光信号出力波形が入力電圧信号のパルス波形とほぼ一致しており、小振幅動作範囲内において、入力電気信号に対する光信号のほぼ線形な電気-光応答がみられた。この結果より、本低温ウエハ接合により作製したSi上のLNOI光変調器の良好な電気光学変調が実証された。次年度はより詳細な光変調性能を評価し、デバイス設計及び加工プロセス条件等にフィードバックをかける予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は、ウエハ低温(ないし常温)接合達成のための諸条件策定及び接合メカニズム解明に努め、接合界面状態に関して多くの知見を得ることに成功した。また、Si上の薄膜LN結晶からなる電気光学変調器作製も順調に進んでいる。以上より、おおむね順調に進展していると判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は接合メカニズムの更なる追及と光変調器の詳細な性能評価を行う予定である。次年度は最終年度のため、学会発表・学術論文誌投稿を積極的に行う。
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Research Products
(5 results)