2022 Fiscal Year Annual Research Report
集積化酸化物センサのナノ時空間熱制御によるロバストな多種分子識別
Project/Area Number |
20H02208
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 綱己 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (60724838)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 分子センサ / 集積化センサ / 自己加熱効果 / 金属酸化物ナノ薄膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
最終年度となる本年度は,前年度までに開発した集積化自己加熱センサアレイデバイスおよび計測システムを用いて,単一材料からなるセンサアレイによる分子群の識別に取り組んだ. 計測対象として,(1)尿揮発分子群の計測による中枢神経腫瘍患者の識別 および(2)バナナ揮発分子群(におい)の計測による追熟度(糖酸度比)の推定 を設定した.尿揮発成分の計測では疾病マーカーとなる分子種が希薄であることから分子センサデバイスでの計測にはセンサの高感度化またはセンサ前段での分子濃縮が不可欠となる.センサの高感度化には一般にノイズの増加や長期安定性の劣化を伴うことから,本研究では分子濃縮の手法を採用した.尿揮発成分を吸着させた捕集材をセンサ上流に配置し,捕集材から加熱脱離した分子群を集積化分子センサチップで計測する実験系を構築した.本システムにより,尿中揮発分子群のセンサによる計測に成功するとともに,健常者の尿と中枢神経腫瘍患者の尿のセンサ応答が異なることを見出した.この結果は本研究で開発した単一材料センサアレイのジュール自己加熱動作による中枢神経腫瘍患者の識別が原理的に可能であることを示している.バナナ揮発分子群の計測では,追熟過程におけるバナナの揮発分子群をジュール自己加熱動作によって計測し,計測結果の解析から追熟度(糖酸度比:糖度と酸度の比)を推定することを試みた.その結果,集積化センサアレイにおけるジュール自己加熱動作の温度種類数を増加させるに従って追熟どの推定精度が向上する結果を得た.
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Research Progress Status |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度が最終年度であるため、記入しない。
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Research Products
(4 results)