2020 Fiscal Year Annual Research Report
Studying on mitigation mechanism of LiNO2 on ASR and reinforcement corrosion and its structural application
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20H02222
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Research Institution | University of Miyazaki |
Principal Investigator |
李 春鶴 宮崎大学, 工学部, 准教授 (80431724)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
王 眺 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 特任助教 (70822386)
高橋 佑弥 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 講師 (10726805)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 亜硝酸リチウム / 鉄筋腐食 / ASR / 塩害 / 中性化 / 複合劣化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ASRと鋼材腐食の二つの劣化事象がともにかつ有効に治癒できる亜硝酸リチウムによる抑制メカニズムを解明するとともに、完治から次の更新期までその効果を適切にモニタリング・評価できる数値解析手法を開発することが目的である。 研究の初年度であるが、コロナ禍の県外への移動が自粛される中、以下の知見を得た。 1.亜硝酸リチウムによる鉄筋腐食の抑制に関しては、まず、亜硝酸リチウムの有無による酸化生成物の組成分析を通じて、鉄筋腐食抑制メカニズムを検討した。ここでは、健全、塩害、中性化、複合劣化を受けた環境を模擬し、新設当時に予め混入した亜硝酸リチウムの影響を検討する目的である。塩害や中性化およびその複合劣化において、粗な酸化物が生成物するものの、亜硝酸リチウムを添加すると、緻密な酸化物が生成することを確認した。 次は、亜硝酸リチウムの吸湿作用による、鉄筋腐食状況を検討するため、異なる相対湿度に制御された環境と制御されず、亜硝酸リチウムの吸湿効果による変化される環境での亜硝酸リチウムの役割を検討した。 その結果、亜硝酸リチウムの吸水により、鉄板表面には厚い水膜が形成し、相対湿度が高い環境で生成する腐食生成物と同様な酸化物が生成されていることを確認した。 2.亜硝酸リチウムによるASR抑制に関しては、人工的にASRゲルを合成し、 亜硝酸リチウムの化学的な影響、吸水作業による物理的な影響を検討した。その結果、ASR抑制のメカニズムがおおむね解明した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験的な検討としては、鉄筋腐食およびASR反応前後の生成物の精緻な計測とその分析を通じて、亜硝酸リチウムの化学的な作用、物理的作用を検討し、今後の数値解析システムの開発のため、基盤技術とデータベースを構築した。このように、計画した通りおおむねすすでいたが、昨年度はコロナ禍の中申請者が所属している大学では県外への移動が自粛され、関係者たちとの研究打ち合わせ、情報収集がほとんどできていない。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、昨年度検討における問題点の再確認のための検討と、数値解析システムの実装と実験室レベルで供試体による検証を行う予定である。実験および数値解析モデルの構築において、異なる環境における化学および物理的作用の定量化に着目する。 まだコロナが蔓延し、なかなか自由な移動が制限され、実験や研究打ち合わせが制限を受けているが、ZOOMなどの手段を活用させ、難関を乗り越える予定である。
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Research Products
(10 results)