2021 Fiscal Year Annual Research Report
Seismic capacity of tower-like secondary structures standing on elevated viaducts and vision-based measurement of vibration characteristics of viaduct-tower structure systems
Project/Area Number |
20H02231
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
藤野 陽三 横浜国立大学, 先端科学高等研究院, 名誉教授 (20111560)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田村 洋 横浜国立大学, 大学院都市イノベーション研究院, 准教授 (10636434)
伊山 潤 東京大学, 大学院工学系研究科(工学部), 准教授 (30282495)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 構造工学 / 地震工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に続き,代表的な,ただし別の形式の照明柱の繰り返し載荷の下で非弾性挙動の実験を行い,調べた.その結果,このタイプでもテーパー終焉部でひずみが集中し,局部変形が進行することが明らかになった.照明柱の鋼材の要素実験(応力ひずみ曲線)を踏まえ,シェル要素を用いた有限要素解析を実施した.その結果,繰り返し非弾性変形の実験結果を精度よく再現できることを2体において示すことができた.また,動的応答計算において計算付帯の大きい有限要素に代わる非線形一質点系モデルによる実験結果の再現性を検証し,ここにおいてもかなりの精度であることを確認した. 一方,照明柱の動特性を非接触で理解把握するための,ビデオ画像による振動位相拡大法を用いた振動抽出技術の構築に向け,屋内実験を行い,その精度を厳密に確認し,高いことを定量的に明らかにした.横浜金港ジャンクションでの実照明柱を対象として実計測を,ビデオ計測に加えてレーザードプラー計による高精度振動計測も併せて行い,ビデオ画像を使った振動位相拡大法の精度が実用上,十分であることを,系統的に明らかにした.なお,レーザードプラー計による照明柱の振動計測はレーザー光を細い照明柱に照準させるのに時間を要し,ビデオ計測はその数分の一で済むことを確認している.さらに,斜張橋のケーブル振動への適用のための予備実測を開始し,数本-10数本の斜ケーブルを同時にビデオ画像に入れても,高次モードまでの固有振動数を高い精度で求められることを実歩行者専用斜張橋での計測例から確認した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2019年度はコロナ感染症の問題が起こる前で順調な研究を行うことができた.具体的には,照明柱の実物で実験しその力学特性を明らかにすることができた.地震時にはテーパー上端部での局部変形が進行するというモードが卓越することが明らかになった.これは極めて大きな知見であった.実験は2019年度にほぼ終わったが2020年度に入りコロナの影響を少し受けることになった.実験はほぼ終わっており解析の方にシフトしていたのでそれほど大きな影響はでなかったが,2021年度に行う予定の現地調査の日程遅れ,屋外実験の延期などがあった.解析においては研究分担者田村博士研究協力者のディオン博士の協力を得て有限要素モデルの構築を進めた.ビデオによる照明柱の振動解析については屋内実験を行い,厳密な精度検討を行った.これらもコロナの影響を受けて実験や実測が行いにくい状況があり遅れてしまった.
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Strategy for Future Research Activity |
照明柱の実物大実験については実験結果を取りまとめ論文として土木学会論文集の投稿の準備を進める.有限要素解析については現在進行中であり,その結果を論文としてまとめる予定である.高架橋―付属物の地震時連成解析モデルを構築し,実際の照明中の地震時挙動を正確に予測する解析についてはそのモデル化を現在進めており,来年度中には成果としてまとめ,上記の土木学会論文集に入れ込む予定である.ビデオ画像による照明柱をはじめ振動物体の正常把握については研究もほぼ完成した状況にあるので論文として発表した.
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