2020 Fiscal Year Annual Research Report
Inventive concepts of 3D geo-stress sensing device using equivalent resistance of conductive particles subjected to contact pressures
Project/Area Number |
20H02242
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
肥後 陽介 京都大学, 経営管理研究部, 教授 (10444449)
木戸 隆之祐 京都大学, 工学研究科, 助教 (40847365)
高橋 邦夫 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 教授 (70226827)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 3方向主応力 / キャリブレータ / 弾性変形 / 多次元応力測定装置 / 真三軸圧縮試験機 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,3方向主応力制御型のジオストレス感知器キャリブレータを新たに開発した.本キャリブレータは,立方体形状の樹脂材料が弾性変形を示すような比較的小さな変位レベルでの応力テンソル測定が目的である.供試体載荷用に電動アクチュエータは3台設置する一方,反力用のアクチュエータは省略して固定板を設けることで装置全体の小型化・軽量化・コストカットを実現しており,電源さえあれば装置の設置場所を選ばずにキャリブレーションが実施可能である.供試体に内包されたジオストレス感知器および抵抗測定センサーが装置外部から載荷中に制御できるよう,各面の載荷板の間にリード線が通る微小な隙間を設けている.3台のアクチュエータを独立に制御することで一軸から三軸まで様々な応力履歴を自在に与えることができ,その際に生じる主応力成分,軸変位だけでなく電気抵抗の経時変化を測定する. 従来の真三軸圧縮試験機は,硬質岩石試料が破壊するような比較的大きな応力,ひずみ,温度などを制御して力学的特性を測定する用途として作製されており,多次元応力測定装置のキャリブレーションが可能な装置はこれまで開発されていない.また,5台あるいは6台のオイルシリンダーや油圧ジャッキを用いて押え板を介して圧力をかけて供試体を圧縮する機構である.供試体がある方向に圧縮しても押さ板同士が衝突しないほか,軸変位によって生じる図心の変化に追従して載荷軸の位置が調整されるという特徴がある.その反面,装置全体が大型化し,高重量,高価,という問題点が考えられる.これに対して開発したキャリブレータは,材料の弾性域のみを対象とするため応力,ひずみが比較的小さく,想定される図心の変化も無視できるほど小さい.そのため,載荷用の電動アクチュエータの台数を3台まで減らすことができ,従来の真三軸圧縮試験機における問題点はない.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
多次元応力測定装置のキャリブレーションを高精度で実施するためには,材料が弾性変形する小さな変位レベルにて3方向の主応力履歴を適切に制御する必要がある.そして,多次元応力測定装置において,全方向に対してキャリブレーションすることは困難であるが,弾性接触理論・固体の表面エネルギー・電気抵抗トモグラフィーに基づいた不変量を利用することで,最小限の方向で十分にキャリブレーションできる.そのため,不変量を使った多次元の検証手法による作業時間の短縮,および各種センサーのキャリブレーション効率化が期待できる.
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Strategy for Future Research Activity |
開発したキャリブレータによって多次元応力測定装置による測定原理の妥当性を検証できる.その後,ジオストレス感知器として,静的・動的荷重を受けた地盤構造物や多方向から挿入できるコーン貫入試験(CPT)への革新的な適用などで種々の実践的な測定が可能になる.また,変位測定に比べて応力測定は現象変化を格段に感度良く測定できるため,従来の変位計測による斜面崩壊や岩盤崩落のモニタリングを本感知器によって応力計測に置き換えることで,感度の数段高い崩壊の早期警戒システムを実現できる. 各電動アクチュエータに対する反力板を固定した機構において,図心のずれが供試体内の応力変化に与える影響を無視できるか否かの検証が残っている.供試体と載荷板との間の摩擦の大きさや,載荷速度についても検証の余地がある.しかしながら,現時点で多次元応力測定装置のキャリブレータとしては十分使用できる状態であり,ほぼ完成しているといえる.将来的には,キャリブレーションの自動化システムを開発・導入し,更なる効率化を目指す.
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