2022 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an Observation and Evaluation Method for Disaster Resilience Based on Time-Series Decomposition of Mobile Phone Location Data
Project/Area Number |
20H02270
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山口 裕通 金沢大学, 地球社会基盤学系, 准教授 (10786031)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥村 誠 東北大学, 災害科学国際研究所, 教授 (00194514)
塩崎 由人 国立研究開発法人防災科学技術研究所, 災害過程研究部門, 契約研究員 (00824921)
水谷 大二郎 東北大学, 工学研究科, 助教 (30813414)
中山 晶一朗 金沢大学, 融合科学系, 教授 (90334755)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 災害レジリエンス / 災害時の行動分析 / 携帯電話位置情報 / 時系列分析モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度と2023年度(繰り越し分)においては,新型コロナウイルス感染症に対する行動変化の観測データのためにデータ入手時点を遅らせたものの,予定通りに下記を実施した: ・ 長距離旅行の異常(災害レジリエンス)を観測・検知するモデルを開発 ・ 2022-2023年までのデータを購入して,複数の災害事象・新型コロナウイルスによる行動の回復過程の解析 新型コロナウイルス感染症で観測される行動の回復過程は,本研究で開発するモデルを適用して得られる情報として,社会的ニーズも高いものと判断して交付申請の時点で本研究の一環として実施することを決定して実施していた.しかし,回復過程の全体像を把握するためには2022年のみのデータでは不足していたため,一部の予算を繰り越し2023年のデータも含めて解析を行った.その結果,新型コロナウイルスによる行動変化に関して,その回復傾向について,ほぼ回復完了まで観測することに成功し,「地域的な傾向が少ない,つまり日本全国で一斉に行動変化が起こっていたこと」など,複数の回復までに至る過程の特徴を明らかにすることができた.これらの成果は,論文発表を含めた成果発表を実施しており,本研究において行動変化を検出するために開発してきた時系列モデルにの有用性を明らかにすることができた. そのほかにも,当初予定であった長距離旅行行動と災害時の行動分析についても並行して進めており,連休事象による影響を考慮したモデルの高度化などを実施した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究から新型コロナウイルス感染症による行動変化データの解析を研究項目に追加し,複数の緊急事態宣言等による行動のダメージ(減少)と回復過程全体を把握するデータを入手するために,本年度も研究費の繰り越しが必要となり,そのために一部の解析を延期しながら解析を実施してきた.その結果として,本研究プロジェクトの予定の予算内において回復までの全体の過程を観測することに成功し,その特徴を明らかにした.これは査読付き論文として発表しており,予定の成果を達成することができたといえる.一方で,学会発表までの成果もいくつか残っており,今後はこれらの成果を査読論文等のかたちに取りまとめていくことが必要となる.
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Strategy for Future Research Activity |
この研究課題は,2023年度予算分の研究成果を含めて,2023年度までで予定していた解析に加えて新型コロナウイルスによる行動変化の特徴解明を含めて,複数の研究成果を挙げてを完了することができた. 一方で,一部の研究成果については,まだ論文の形での成果発表が完了していないため,引き続き研究成果の公開に向けた活動を継続していく.
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