2020 Fiscal Year Annual Research Report
In-situ quantification of membrane foulants by Solid phase fluoresence excitation emission matrix
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20H02288
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
山村 寛 中央大学, 理工学部, 教授 (40515334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中屋 佑紀 摂南大学, 学習支援センター, 講師 (60868735)
丁 青 中央大学, 理工学部, 助教 (70837476)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 膜ファウリング / 可視化 / 固体3次元励起蛍光 / EEM / ゲル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、QCM-AによってNOM溶液が乾燥でゲル化する様子を捉えると同時にSPF-EEM測定を行うことで、NOM溶液のゲル化とSPF-EEMの変化を結びつける調査を行った。さらに、実際に河川表流水を膜ろ過し、ファウリング進行に伴う膜表面のSPF-EEMの変化を観察し、NOM溶液のゲル化によるSPF-EEMの変化と比較・検討した。 QCM-AとSPF-EEMの同時測定によって疎水性天然有機物(HPO-NOM)および両親媒性天然有機物(TPI-NOM)の、ゲル化に伴うSPF-EEMの変化を捉えることに成功した。 TPI-NOMは、溶液時に観測されていたピークの位置が、ゲル化およびゲルの硬化に伴い赤方偏移することが明らかとなった。さらに、河川表流水をろ過した膜のSPF-EEMにおいても、ろ過時間の経過に伴いファウリングを示すピークの位置が長波長側に移動する現象が確認された。これは、膜表面においてTPI-NOMを含むゲル層の形成もしくは硬化が発生していたことを示唆している。 HPO-NOMについては、乾燥に伴う濃縮、ゲル化問わず濃度が高くなると短波長側の蛍光がクエンチングされ、赤方偏移した。赤方偏移した際のピーク形状は独特であり、凝集-膜ろ過において膜表面にケーキ層が形成された際の特徴に類似していた。このことから。ゲル状HPO-NOMと似たピークが膜表面SPF-EEMにおいて観測された場合は、膜表面に水分を多く含むHPO-NOMケーキ層もしくはゲル層が形成されたと推測できる。 TPI-NOMおよびHPO-NOMが示したゲル化に伴うSPF-EEMの変化や、ピークの特徴がそれぞれ異なることから、膜表面上に付着したゲル層・ケーキ層がTPI-NOMによるものか、HPO-NOMによるものかが判別可能になったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ゲル化の進行を捉えることに成功し、固体3次元励起蛍光を利用した膜ファウリングの可視化に向かって順調に研究を推進できている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、色がクエンチングに及ぼす影響を検討することで、固体3次元励起蛍光分析による膜ファウリング物質の定量分析に向けて研究を進めたい。
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Research Products
(8 results)