2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of Inactivation Treatment of Multidrug Resistant Bacteria in Hospital Wastewater
Project/Area Number |
20H02289
|
Research Institution | Osaka Medical and Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
東 剛志 大阪医科薬科大学, 薬学部, 助教 (10634222)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
臼井 優 酪農学園大学, 獣医学群, 教授 (60639540)
村上 道夫 大阪大学, 感染症総合教育研究拠点, 特任教授(常勤) (50509932)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 病院排水 / オゾン処理 / 抗菌薬 / 薬剤耐性菌 / 薬剤耐性菌遺伝子 / 不活化処理 / 定量的微生物リスク評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
病院や下水処理場で適応可能な高度な排水処理技術の開発を行うため、各種水処理による不活化実験を行った。また、環境への薬剤耐性菌の流入削減対策を行うことによる環境リスク負荷影響緩和措置対策の有効性についての考察を試みるため、本研究では定量的微生物リスク評価(QMRA)による解析を用いた評価を行った。 その結果、病院排水から検出される抗菌薬はオゾンをベースとした処理により2分~30分で検出限界以下となり、速やかに除去されることを明らかにした。また、オゾン処理は薬剤耐性菌や、各種薬剤耐性菌を構成する微生物種の不活化についても有効であり、CRE、ESBL、MDRA、MDRP、VREはいずれも処理開始から10分以内に90%以上不活化された。MRSA及びStaphylococcus aureusについては、処理開始から10分後の不活化率は83%及び84%と、他の微生物と比較すると不活化率が低くなる傾向がみられたが、処理時間を長くとることで全量が不活化された。薬剤耐性菌をコードする遺伝子(blaIMP、blaTEM、blaCTX-M)についても0.7 log10~3.0 log10の除去率が得られることを踏まえると、病院排水に高度処理を導入することの有効性を示唆していると考えられる。最後に、QMRAによるMRSAを対象とした環境への薬剤耐性菌の流入低減対策を行うことによる環境及びヒトへのリスク削減・低減対策の効果の推定を試みたところ、飲料水処理工程での消毒処理で感染リスクとDALYsの観点から、各々1.7 log10と2.9 log10の不活化を達成する必要があると推計された。今後調査を継続するとともに、残留抗菌薬や薬剤耐性菌の環境への負荷削減・低減による環境リスク緩和措置に有効な高度水処理法の開発を行うとともに、下水処理場における水処理や医療機関における導入に向けた検討を試みていくことが重要であると考えられる。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|