2020 Fiscal Year Annual Research Report
人工乾燥に伴う内部割れの影響を考慮した木材の剛性・強度評価
Project/Area Number |
20H02299
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
佐藤 利昭 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (00637887)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 心持ち製材 / 人工乾燥 / 乾燥収縮 / 内部割れ / 剛性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
本課題初年度の目標は, 内部割れを含む木材内部の情報を整理した試験体の製作であった. この情報は, 本研究で得られる最大の成果に繋がるもので, 我が国で多く植林されているスギ材とヒノキ材を対象樹種とし, 各 20 体の試験体を慎重に用意する計画を立てていた. 実際に遂行した内容は, 新型コロナウィルス感染症拡大の影響も受けたが, スギ・ヒノキ各 30 本をそれぞれ一つの山から用意し, さらに製材工程および乾燥工程まですべての製作過程を立ち会いの下で実施できた. 乾燥スケジュールの検討など, 一部難航した部分もあったが, 結果として後述する CT スキャンによって, 本課題の主たる問題意識である内部割れも確認されたため, 次年度に計画する曲げ実験に必要な部材をすべて調達できたものと判断した. 試験体の製作後は, CT スキャンを民間事業者に依頼し, 木材内部の状況の把握もあわせて実施した. 当初計画では, 先行研究の結果を参考に MRI 撮影を計画していたが, 同事業者に複数のサンプル撮影を依頼した結果, CT スキャンで十分な解像度の結果が得られたこと, さらに安価でありスケジュール的にもメリットがあったことから, CT スキャンに研究方法を変更して撮影を実施することとした. 撮影の結果, 次年度の曲げ実験の試験領域となる試験体の中央約 2 m の領域を 1 mm 間隔の切断面が把握できるデータを得ることに成功した. 当初, 予算の都合上, 製作した 30 本 × 2 樹種のうち, 選定した 20 本 × 2 樹種を対象とする計画であったが, 結果として計 60 本すべての結果を得ることができた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け, 調達期間に時間を用意したが, 結果としては当初計画以上の試験データを得ることができている. 一方で, 同じく感染症の拡大に伴い, データ整理等の面で研究活動が遅延している部分もあり, 当初計画にはいれていなかったが, すべてのデータを分析する時間を設けられなかったため, おおむね順調と判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
本課題は, 新型コロナウィルス感染症拡大の影響を受け, 一部の計画で遅延をしているが, 研究成果としては当初計画通りの結果を得ている. 次年度計画の実大実験の遂行と共に, データ分析を進めていくことを計画している.
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Research Products
(1 results)