2020 Fiscal Year Annual Research Report
Development of urban wind estimation method based on sparse sensor network
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20H02308
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
菊本 英紀 東京大学, 生産技術研究所, 准教授 (80708082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大岡 龍三 東京大学, 生産技術研究所, 教授 (90251470)
崔 元準 東京大学, 生産技術研究所, 助教 (30817458)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 建築環境・設備 / 都市防災 / 流体工学 / シミュレーション工学 |
Outline of Annual Research Achievements |
安全・快適かつスマートな都市空間の創出に資するため、本研究は市街地(マイクロ)および都市(メソ)スケールにおける風況(風速・風向)を対象に、スパース(疎)に配置されたセンサーの計測データを入力値とする空間解像度およびリアルタイム性の高い分布推定手法の開発を行う。当該年度においては、特に市街地スケールにおける風況推定手法の開発に取り組んだ。市街地気流の瞬時分布は、主にその乱流的特性によって複雑な様相を見せる。しかし、市街地気流は一定の境界条件においては、流れの空間・時間的な相関性・周期性から有限の代表的なパターンを示すと考えられ、センサーから得た有限な観測情報からこれらのパターンの強度を特定できれば、市街地気流のリアルタイムな分布推定を実現できる可能性がある。このような特性を利用した分布推定手法として、固有直交分解(Proper Orthogonal Decomposition, POD)と線形確率推定(Linear Stochastic Estimation, LSE)を組み合わせた方法(以降、POD-LSE)がある。本研究では、まず市街地モデル空間を対象とした非定常乱流解析モデルLarge-eddy simulationにより市街地気流の瞬時速度場分布のデータベースを構築した。このデータベースをもとに、POD-LSEによる瞬時気流推定を行い、同手法の有効性の検証を行った。また、さらなる推定精度の向上を目指し、LSE以外の推定手法に関しても検討を行った。その他にも都市スケールにおける風況推定手法の開発へ向けた気候データの分析などを実施した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
推定手法の基本的なアルゴリズムの開発やシステムの構築を概ね予定通り進めている。また、開発手法の検証用に必要となるデータベースの構築なども進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまでは、特に市街地スケールにおける風況推定に関する検討を行ってきた。同対象に関する推定手法の改善を今後も継続していくが、同時にここまでに得られた知見を援用し、都市スケールにおける風況推定手法への拡張も進めていく。
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