2020 Fiscal Year Annual Research Report
Numerical analysis of aircraft engine improvement using a newly-developed atomization and transcritical vaporization model
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20H02351
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
新城 淳史 島根大学, 学術研究院理工学系, 教授 (10358476)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅村 章 公益財団法人名古屋産業科学研究所, 研究部, 上席研究員 (60134152)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 航空エンジン / 微粒化モデル / 遷臨界 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、当初の研究目標に掲げているように航空機エンジンへ噴霧LES解析コードを適用しその妥当性を検証している。研究協力者の東北大学および株式会社IHIから航空エンジンを模擬したスワーラ付き容器での噴霧形成のデータを提供いただいた。これを模擬するため、比較的高圧の条件で入口側条件を定式化し、同様の条件で噴霧形成を解いた。提案した乱流微粒化モデルは直進ジェットに対しての有効性は確認されているが、本研究ではスワール流れに対する直接の検証を行う。その結果、スワール中心における再循環領域の形成とそれに伴う液面・液滴の広がりを捉えることができた。液面は、局所のせん断によって伸長を受けるが、本計算のように乱流条件下では層流の伸長効果より局所のRayleigh-Taylor(RT)不安定性が効くという結果になっており、その結果はこれまでに提案した乱流微粒化モデルはスワール流れにも直接適用できることを示唆している。 また、より高圧での作動条件に対応させるため、遷臨界での微粒化モデルを組み込んだLESを構築した。今年度は物理的考察により臨界点付近の疑似沸騰とそれに伴う液塊飛び出しを定式化し噴霧コードに組み込み、試験結果は良好な結果を得ている。 これらの関連結果は、すでに一部を査読付論文として発表してある(Proceedings of the Combustion Institute誌)。 本研究のアプローチのように乱流微粒化モデルを詳細に検討することで噴霧の形成を正しく追うことができることは、本研究の優位性を示している。本研究で開発したコードはエンジン解析に実装できるようコードの効率化を進めており、社会還元にも貢献できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画の通り、航空エンジン形状での解析を開始しその結果を検証することで良好な結果を得ていることが分かってきた。また遷臨界条件に対応する拡張も基本的には達成し、今後のモデル高度化へ進む道筋が明らかになってきた。本年度の助成で計算機整備および外部計算機の利用、ディスクの整備を行うことができ、有効に利用できた。
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Strategy for Future Research Activity |
2020年度の解析により、本研究での微粒化モデルとそれを組み込んだコードの有用性は基本的に確認された。したがって、2021年度はより詳細に物理現象の検討と、条件を振った計算を実施する。特に、エンジン内の圧力を変えて、実験で観察される違いをどのように再現できるかを中心に解析する。必要であれば微粒化モデルに修正を加える。コードの有用性から高圧のロケット噴霧にも適用できる可能性があるため、予備的にロケット条件での適用も調査する。そうすれば、産業界のより広い範囲での有用性が認識されると思われる。
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Research Products
(4 results)